ヒゲッ子

ヒゲッ子 2009_01_26

 

恐ろしいことに気がついてしまった。
私はあのヒゲのゲーム作りに子供の頃から馴染んでしまっていたのだ。
「どういうワケか俺はヒゲの理解者だな」と勝手に思っていたのだが、私はヒゲっ子ともいうべき人間だったのである。
嫌なことに気付いちゃったな。
この話を書くためにはスクウェアの昔話から書かなければならない。

FFの情報を調べていると、しばしば「7からFFはおかしくなった」みたいな書き込みを見つけることがある。
FFがPSに移行して、ムービーを多用するようになってから駄目になった、というような主張なのであろう。
しかし、それは違うな。
昔からスクウェアはそういう会社だったのである。
そういう、ってのは、ゲームの中身ではなく、見た目のはったりで勝負してきた、という意味である。

私がスクウェアという会社をはじめて知ったのは、パソコン初のアニメーションを売りにした『デストラップ』でのことだった。
ゲームはなんてことない平均的なコマンド入力式のアドベンチャーゲームであったが、ちょっとだけアニメーションが入っていたのである。
アニメーションつったって私の記憶によれば、海岸に打ち寄せる波を白い線が上下することで表現した程度だったと思うが、それでも「初めて」ってのは意味のあることだ。
当時は結構驚いた。

その後に発売された『ウィル』もゲームは当時の平均的水準以下だったが、アンドロイドが目覚めるシーンのアニメーションだけは結構驚いた。
印象に残ったゲームではある。

更にその後、『ブラスティ』というマクロスみたいな飛行機→ロボットの変形シーンを売りにしたRPGを発売するんだけど、これもぱっと見は凄かったよ。
私の記憶によれば、ゲームは驚くほど面白くなかったけど。

私が何を言いたいのかというと、つまり元々スクウェアってのはそういう会社だってことである。
ゲームの中身なんかで勝負していない。
FF7はスクウェアのゲームとして、極めて正統進化に分類されるべき作品である。
FF7からおかしくなったとか、ちゃんちゃらおかしくてヘソが茶を沸かすわい・・・という話を書こうと思っていた。

で、あんまり適当なこと書いてもいけないので、『デストラップ』、『ウィル』、『ブラスティ』を検索してビックリ。
全部ヒゲが創ってるんじゃん。
当時パソコン雑誌一杯買ってたけど、ヒゲの話なんて読んだことがなかった。
有名ではなかったのではないか。
もしくはヒゲを生やしていなかったとか。

こんなこと、別に知りたくはなかった。
しかし、知ってしまったからには書かないわけにもいかない。
ヒゲッ子の書く話ならば、話半分に聞いてもらう必要があるからである、少なくともヒゲに関しては。



<追加 2009_01_31>

通販が送料無料になる額合わせに『シグマハーモニクス』というゲームを買ってみた。
評判が悪いらしくて、凄く安かったな。

このゲームをやりはじめると、とうの昔にいなくなったはずのヒゲがいるかのような錯覚に襲われる。
ストーリー展開を細切れにして、間にプレイヤーがちょっとだけ操作する部分を入れるようにつくってある。
プレイヤーがほんの少し歩くだけで次のストーリーに進んでいくのだ。
歩くことに意味はない。
しかし、無意味であっても何かさせることでプレイヤーが物語に関与しているような気にさせる演出。
まさにこれぞヒゲイズムだ。
ヒゲはいまだに生きている。


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