South of the Circle、Apple Arcade版

やりたいことをやるためのサブスク 2021_02_15

 

Apple Arcadeのラインナップを見ていて、これSteamだったらいくらかな?と調べたくなることがある。
どれが面白いのかさっぱり分からないので、お得感で決めようと私は思うのだ。
しかし調べてみると、Steamにはない作品もある。
詳細は分からないが、アップル側の呼びかけに応えて、Apple Arcade専用に創られたのかもしれないな。
『South of the Circle』もそんなゲームの一つである。


『South of the Circle』は南極でのサバイバルを描いたアドベンチャーゲーム・・・かと思ったんだ、最初は。
南極上空で小型飛行機がトラブルを起こして不時着し、パイロットは足を骨折。
やむなく学者で肉体労働の苦手な主人公が四苦八苦しながら助けを呼ぶゲーム、かと思ったの。
助けを求めに他国の調査基地に行っても、なぜか誰もいない。
敵であるソ連の調査基地に行っても誰もいない。
背景として、冷戦下においてソ連が核実験を南極で行っている可能性もあって、シナリオはワクワクさせるものがあった。
ところが、すぐに回想シーンに入っちゃう。

主人公の生い立ちとか、研究者としての苦悩とか、共同研究者であり恋人でもある女性との関係とかを回想シーンで振り返っていくのである。
なんで南極上空を飛ぶことになったのか、も含めて。
ホントに隙あらばすぐに回想。
7:3ぐらいで回想の方が多いんじゃないかな。
分かるんだよ、このゲームの創り手がこっちの方を描きたいのは。
研究したいだけなのに冷戦に翻弄される主人公や恋人を描くのも悪くはないだろう。
このゲームの特徴である感情の選択肢を選ぶことによって、多少は展開に変化もあるらしい。
でも、私はあんまりそこいら辺には興味がなかったな。
もっと南極での出来事を厚めに描いて欲しかった。
娯楽作品としてであれば、そっちの方が正解な気がするんだ。

しかし、これがApple Arcade専用のゲームであるとすれば、また違う主張も可能だろう。
サブスクから得られる収入がある程度確定していればこそ、自分たちは創りたいものを創るのだ、という主張もね。
むしろサブスクだから、すごく面白いと評判にならなくても、たくさんの人にプレイして貰える。
それこそが狙いなんだ、儲けるために創ってるんじゃない、と言われれば、こっちも反論しようがない。
やりたいことをやるためにサブスク向けに開発するってのも、そりゃ有り得る話だよ。


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