ソニックフロンティア、PS4版

今のセガになら 2022_11_26

 

我々が愛したセガはもはや存在しない。
昔のセガのゲームはお世辞にも心配りが行き届いているとはいい難かった。
でも、出来が悪いからこそ応援したくなったもんだ。
今のセガはまあまあ遊べるゲームを創るようになったけど、特に尖ったところはない。
名前は同じでも別の何かになってしまった。
ゲーム業界は人の入れ替わりが激しいので、実際のところ、別物だと考えて構わないのだろう。
それでもコンテンツは残る。
一応ですよ、『ソニックフロンティア』をプレイしたのは。
セガの残滓としてね。

やってみたら、もう最初に起動したところからして違う。
ハードディスクにコピーせずに、いきなりチュートリアルが始まるのだ。
一番簡単な3Dコースのタイムアタックをやらせて、その裏でコピーしているのである。
やるじゃん!って思ったな。
ソニックのスピード感を伝えるには、簡単なコースを繰り返しやらせるのが最適なんだけど、無駄なロードタイムをそれに充てるのは素晴らしいアイディアだ。


その後プレイを進めていくと、なかなかよくできていると気づかされた。
オープンフィールドだけど、そんなに迷うことはない。
マップの開放がチュートリアルになっていたり、次の目標が明示されたり、かなり親切な設計になっていた。
オープンフィールドとはいっても、場面場面で2D風になったり、行動範囲に制限のある3Dになったり、ほどほどに限定してあるのもプレイしやすい。
こんなセガがあるの?って感じだったな。
ゲームの内容も私がやった3Dソニックの中では群を抜いて素晴らしかったが、それはまた別に書く。

ただし、もうちょっとだな、と思うところもあった。
ボス戦の最後にQTEが入っていたり、どうでもいいミニゲームが難しかったり。
今どきムービーはご褒美じゃないので、失敗したからといって、長いボス戦をもう一回やらせてはいけないんだよ。
ムービーを挟むなら一回でクリアさせないと。
ミニゲームに関しては実は難しくないんだけど、先が見通せないから難しく感じることはあった。
今の時代は先が見通せないと、いま努力することが無駄に感じられてしまう。
心配りが行き届いている、と表現するにはもう少し。
昔のセガにだったら、こんな野暮なことは言わないけど、今のセガになら言ってもいいだろう。
単なる一ゲームメーカーに過ぎないからね。


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