ゲームにおいて、ストーリーをハッキリと語らないことにもメリットはある。 喜びを大きくするにはプレイヤーの寄与分を大きくした方がイイので、物語をプレイヤー自身に解釈させることも当然に創り手が採りうる手法であろう。 しかし、プレイヤーが理解不能な展開では意味がない。 解釈できなければ喜びも大きくなりようがないわけである。 これから『Somerville』について、そういう話を書く。 エンディングの分岐にも少し触れるので、何も知りたくない方は読み進めないでください。 GamePassが有効なうちに何かプレイしておこうと思って、無理矢理探して見つけたのが『Somerville』。 『LIMBO』と『INSIDE』を創った会社の作品ということで、おそらくコンパクトでパンチの効いた作品だろうと期待してプレイし始めた。 内容としては、実質的にはステージクリア型の脱出ゲームなのかな。 やや奥行きがわかりにくく戸惑うことはあるが、まあ遊べないことはなかった。 問題はストーリーの方。 あまりにも分からなさすぎる。 どうやら、ある日突然宇宙人に侵略されたらしいのだが、宇宙人の目的は分からない。 分かるのは家族と離れ離れになった主人公が家族を探してうろつき回っていることだけ。 物語の途中で、主人公は新しい能力を正体不明の味方?に託されるのだが、彼らの正体も目的も最後まで不明。 エンディングまで進んでも、結局自分なりの物語を組み立てることは出来なかった。 最終ステージでエンディングが分岐するのだが、これがまたわからない。 トゥルーエンドの条件がどこに示されていたのか、ネットで調べた後でもわからなかったよ。 自力では出来そうにないんだけど。 内容も納得できないし。 「未知との遭遇」っぽいのだが、散々めちゃくちゃにしておいて、和解もクソもあるのかって気がしたな。 このゲームに関しては、ストーリーを語らないことが上手く機能していない感じがする。 あんまり評判は良くないそうだが、そりゃそうだろ、と言わざるを得ない。 |