D2_2
罪深さ 2000_02_18
「D2」が終わった。
私はこのゲームが罪深かっただろうか?といま考えている。
ゲームの罪深さには色々な種類がある。
2,3例を挙げてみよう。
例えばSSで発売された「VIRUS」というサイバーアドベンチャーゲーム。
私が初めて罪深さを考えたゲームだった。
ハドソンのアニメーションとセガのテクノロジーが合体!!という様なうたい
文句で、アニメ指向派に強い訴求力を持っていたように記憶している。
実際OVA(DVDが出てるからODA?)にもなっている。
ところが、私はこのゲームを終えたとき、大変腹が立ったのである。
明らかに作り手が面白くないだろうな、と理解した上で作っているのがよくわ
かったからだ。
プレイヤーに努力を求めると、最後までプレイしてくれないだろう、という怯
えがヒシヒシと伝わってきた。
面白くないとわかっているのに、途中で開発をやめるでもなく、上司に諫言す
るでもなく、発売してしまった。
これを罪深いといわずしてなんといおう。
あるいは「シェンムー」。
このゲームは特殊な役割を持っていた。
それは、PS2の発売前に周囲の目をいったんDCに集めさせる、という役割
だったはずだ。
でなければ、如何に技術開発の意味を込めたとしても、70億ものお金を投入
出来るはずないのである。
しかし、実際には鈴木さんが趣味の領域に突っ走ってコケた。
偉すぎて誰も口出しできなかったのだろうか?
あまりに高すぎた前評判は大量の在庫を生み、その後に発売されたソフトの初
期出荷量を抑えさせたに留まらず、DCの存在そのものを危うくさせてしまう。
かつてPSを支えた「バイオ」に救われてしまうというあたりが、あまりにも
皮肉だ。
これを罪深いといわずしてなんといおう。
まあ、上に挙げたような罪深さはむしろ特殊な例であって、多くの罪深きゲー
ムはつまらぬ内容で時間を浪費させるのだが・・。(本来は金銭の側面もある
んだろうけど、私はあまり気にしない)
そういった罪深さを踏まえて、「D2」を振り返ってみる。
・・・特にない。
敢えていうのであれば、やはりつまらない戦闘シーンに時間を費やされている
事なのだが、致し方のない事情もある。
開発費をペイするために、あらかじめ6800円という価格設定をすると、ど
うしてもボリュームを稼がなければならなくなってしまう。
つまり、高いお金を払って時間を無駄にしなければならないわけだが、開発費
の大半を占めるムービー部分だけでゲームを構成することが難しい以上、同情
の余地はある。
判決を下すとすれば、有罪なるも執行猶予といったところか。(私が偉そうに
いう問題でもないが)
さて、「D2」を終えて私の印象がどう変わったかといえば、プラスの方向に
幾分改善された。
問題意識を押し出した分、消化不良の感はある。
悪のりしてるな、と思ったところもあった。
それでも、何かを表現したいという気持ちは伝わったし、こんなところで誰に
も読まれることのない記事を書いているよりはマシだろう。
クリエイトするということは偉大だ。