ロストマジック、マリオ&ルイージRPG2

背負っているものが違う 2006_02_14

 

『マリオ&ルイージRPG2』と『ロストマジック』を並列してやってきた。
とっくの昔に『マリオ&ルイージRPG2』は終わっているはずだったのだが、気分が乗ってこなかった事もあって重なってしまったのである。
そうすると、否が応でも気付くな。
その背負っているものの違いに。

『マリオ&ルイージRPG2』は任天堂の看板を背負ってる。
マリオの看板も背負っている。
更に、タッチジェネレーションで新規に参入したグループに対しても責任を負っているんだ、という感じがしたな。
異様に説明が丁寧。
このゲームには、ナビゲーター役のかばん君がいて、一々説明してくれるのである。(そういえばタンジェント君もかばんだな)

『1』からやってる人も意識して、知ってる人は読まなくてもいいよ、って言うんだけど、何が書いてあるかわからないから結局読む。
だから怠い。
ゲームの習熟度が異なるプレイヤーを一緒にプレイさせることがいかに難しいかが、このことだけでもよくわかる。

一方、『ロストマジック』は違う。
どう戦ったらいいのか、あまり説明しない。
もちろん魔法の説明はするけど、ストラテジー(戦略)の話が抜けているのである。
おそらく、相当難しいと感じる人が多いのではないか。
私も序盤から頻繁にゲームオーバーになった。

しかし、私はなかなか上手いやり方だな、と感じていた。
何が上手いのかというと、主人公が使用できる魔法量が限定されていて、一定時間ごとに回復する点が上手いのである。
このことを少し説明する。

このゲームの勝利条件は大抵敵のボス、即ち魔法使いを倒すことである。
だから、難易度はボスに至る道のりで決まる。
その他の部分は時間稼ぎみたいなものなのだ。
一方で主人公が一定時間内に使える魔法量が限定されていて、かつ序盤は配下の魔物も限定されている。
そうすると、創り手としてはプレイヤーを極めて的確に想定できるので、ボスの周りにどの程度敵を配置したらいいのか、どの程度の地形的負荷をかけたら良いのか判断しやすい。
だから自然と、こういう風に戦ってくれよ、っていう狙い通りにプレイヤーを誘導できる。
結果、創り手の狙ったストラテジーに気付いたプレイヤーは、ああ、このゲームはこういうものなのか、と理解できるのだ。
ワンプレイに制限時間がかけてあることも、ディフェンダー役の敵を削っていくつまらないプレイに終始するおそれを排除し、狙い通りにプレイヤーを誘導するのに一役買っている。
『ロストマジック』においては言葉で説明する必要などなかったのである。

もちろん、説明しなくても出来るはずだから説明しなくてイイ、という立場を誰もが取って良いわけではない。
だって、クリアするまでプレイしてくれなかったら、どうするんだ?
おそらく『ロストマジック』を創った人たちには、わかってくんなきゃそれでもいいや、っていう気分が何処かにあったんだろう。
任天堂の看板、マリオの看板、新規ゲーム参加者への対応などなど、たくさんのものを背負っている人たちとは自ずと違う。

私なんかはついつい『ロストマジック』を褒めたくなるんだけど、私の言うことはまるであてにならない。
ヘビーゲーマーほどタチの悪いものはないからね。



戻る