いまの世の中、時短時短。 とにかく密度が大事。 隙間の時間が勿体ないから別の何かで埋めろ!、経験値稼ぎはタルいから早回ししろ!というのが、いまのご時世である。 私は大歓迎。 しかし、ホントはじっくり取り組むべきものもある。 余計な時間が何かしら思いを深めることもあるだろう。 それはわかっている。 ところで、PSVitaで遊びたいゲームがなかなか見つからなかった。 検索をかけたり、アマゾンランキングを深掘りしたり、10時間ほど調査した挙げ句、ついに『ロゼと黄昏の古城』を見つけたときには、もう精根尽き果てていた。 『LIMBO』に赤を一色足したような『ロゼと黄昏の古城』のゲーム画面を見て、もうこれでいいやと思ったのである。 この時点では中身を知らなかった。 やってみたら、キャラクター二人を切り替えてステージをクリアしていく、よくあるアクションアドベンチャーゲームだった。 血の赤を一色だけ足しているところがミソで、色のあるものしか時間が経過しない、というルールを上手くゲームに組み込んでいる。 よく出来ているし、なかなか雰囲気のいいゲームだった。 しかし、実はやってて酷くストレスのたまるゲームでもあった。 というのも、動きが遅い割にステージが広いんだ。 凄く無駄な感じ。 解法を思いついても、やり直しになるのがイヤで、攻略ページを見たくなることが何回かあった。 ラスボスなんかは、そんなに難しくないんだけど、敵の攻撃前動作とかにイライラしちゃって、なかなかクリア出来なかった。 一回失敗すると、もう一回やる気になれなくて。 クリアしてもあんまりいい印象を持てなかったな、私は。 ホントはこの一見無駄な時間にも、それなりの意味があるはずなんだ。 このゲームには語られていない謎が一杯ある。 茨の呪いってなんなの?とか、巨人はいったい何者なんだ?、とかね。 プレイヤーに間を強要することによって、そこでイマジネーションが拡がっていくことを創り手は期待したのかもしれない。 そういう遊び方が出来た人の方が幸せ。 私はいまいち出来なかったけど。 巨人の振る舞いに人間らしさを感じる部分があって、あの巨人には王様の魂でも宿ってるのかな?と想像した程度だった。 |