渋谷は一応、私の守備範囲である。 特に渋谷が好きなわけじゃない。 単に地理的に近いからというだけのことである。 私は必要のないところには行かない主義なので裏路地までは知らないけど、まあ、表通りぐらいは知っている。 『すばらしきこのせかい』の舞台になっているのは渋谷。 このゲームはなかなか面白い。 面白いというのは、ゲーム内容もさることながら、渋谷の街を上手くゲームのシステムに取り入れているところが面白いのである。 渋谷、というか若者文化の一つ面白いところだと思うのだが、流行の中に小さな自己主張がある。 ルーズソックスが流行れば、みんな履く。 でも、だぶつき加減や丈の長さに微妙な違いがある。 ネイルアートが流行れば、みんなやる。 でも、小さなこの爪の面積における表現に拘りがある。 よく見なければわからないし、本人以外はどうでも良いことだが、それは確かに存在するのだ。 流行の範囲内での自己主張という渋谷が象徴する若者文化の特徴を、このゲームでは上手く取り入れているな。 面倒だからゲームシステムの詳細は書かないけど。。 バッヂのデザインなんか見ると、せいぜい20x20ドットぐらいの中で何十種類も描き分けていて、正にこれは渋谷だなという感じがする。 また渋谷というのは商品単価の安い街である。 非常に困ったことではあるのだが、一般的に言って若者の購買力は弱い。 渋谷は客単価が低くてお店を出すのが難しいそうだけど、逆に食べ物に関して激戦区である。 渋谷ラーメン戦争!とか回転寿司戦争!とかいう不思議なテレビ番組を観たことがある人も多いのではないか。 客単価は低くても、回転の速い食べ物は割とペイするんだろう。 渋谷は食べ物の街でもあるのだ。 この辺も上手く取り入れているな。 食べ物を消化するとパラメーターが上がる→消化するためには戦闘する必要あり→1日に消化できる量に限度があるから、急激にはパラメーターを上げることは出来ない、というあたりも上手くバランスを取っている。 もちろん、渋谷を詳細にゲームへ取り入れれば取り入れるほど、面倒なゲームになるんだけど、そこはそれ今風のゲームだから、パラメーターの一つや二つ見落としていてもどうにでもなる。 その点はとても安心できるのである。 |