幻影異聞録#FE

盛るだけじゃなく削らないと 2016_03_15

 

WiiUを『スプラトゥーン』以外で使ってやろうと思ったら、やるべきゲームは一つしか見当たらない。
『幻影異聞録#FE』がそれだ。
これ一つしかないのに、思ったほど売れなかったそうで、なにやら酷く不思議。
一体みんな何で遊んでいるのだろうか?
やってみたら、私が思う極めてJRPGらしいJRPGだったのに。

とにかく盛っていくゲーム。
何を盛っていくかというと、プレイヤーが喜びそうな要素を。
パラメーターのレベルと芸能人のレベルを分けることによって、頻繁にレベルアップ。
しかも6人いるから、雑魚戦1回やるごとに誰かがレベルアップするぐらいの頻度。
武器にもレベルアップがあって、レベルアップの度にスキルが必ず一つ貰える。
そのスキルにも、攻撃用と常時発動するものに別枠を用意。
戦闘中には控えのメンバーも連係攻撃に参加。
最後の方になると、ずっと6人連続攻撃。
更にサイドストーリーをマメにこなしておくと、連係の最後にデュオアタック(?名前忘れた)がたまに発生して、また連係攻撃が最初からスタート。
書き出したらきりがない。
とにかくプレイヤーが喜びそうな要素を全部盛り込みました、みたいな仕様である。
徹底してプレイヤーに得を感じさせようとしているわけで、それは悪いわけじゃない。

ただ必ずしも得だとは言いかねる部分もあるんだ。
得をする要素がたくさんあるって事は、一つ一つの効果は小さいって事でもある。
効果が大きいものがたくさんあったら、バランスが破綻しちゃうからね。
ということは、効果が小さいにもかかわらず、それなりに手間や時間はかかっているとも言える。
たとえば。
雑魚戦1回やる度にスキルの管理するのはメンド臭い。
頻繁にパワーアップの連絡が届くけど、そのために事務所に戻るのは億劫だ。
弱点属性以外の攻撃はダメージが小さいのに、連係攻撃が長すぎる。
とすれば、盛るだけじゃなくて、手間暇を削らないと得したことにならないんじゃないかと私は思うのである。
例えば、スキルの管理を自動に設定できるとか、キャンプを張ると事務所に戻らなくていいとか、連係攻撃は長くなるにつれて早回しになるとかね。
創り手としては、せっかく時間を稼ぐ要素を入れたのに、それを削るなんて考えられないのかもしれないが。

この『幻影異聞録#FE』は貴重だとは思うよ。
PS系のラインナップを見渡しても、こういう作品は見当たらない。
普通はサードパーティーが安く創るようなタイプの作品を、任天堂がお金を出してリソースリッチに仕上げてくれた、とも言える。
これはこれでいいのかもしれないが、他の選択肢がないことを考え合わせれば、より完璧な仕上がりであればなお良かったのに、とは思うね。


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