バイオハザード4_4

悪者探し 2005_02_23

 

『バイオハザード4』がひとまず終わって、私はとあるゲームレビュー集を読んでいた。
ああいうのは読むと自分も引きずられていくので、終わるまでは見ないほうがいい。
私は『4』にケチをつけようという気分にはならなかったのだが、世間ではストーリーに納得いかないという声が多いようである。
今までさんざん引っ張ってきておいて、オープニングでアンブレラ社が潰れちゃった。
そんなのあり?って。
確かにいきなり潰れてましたっていうのも張り合いのない話なんだけど、企業が敵じゃなくなったってのは割と納得がいく、私は。

ゲームでも映画でも何でもそうなんだけど、物語には強烈な悪者が必要だ。
悪者がいるおかげで観る側のベクトルが揃う。
登場人物に何事かする動機を与えることが出来る。
最近映画の世界でも誰を悪者にするかが問題になっている、というのはよく聞く話である。
冷戦が終わって、映える悪者がいなくなってしまった。
そうすると、企業を悪者にしなければならなくなる。

ところが、悪者にするには今時の大企業は弱っち過ぎるんだ。
過当競争にさらされてバカの一つ覚えみたいにリストラ!リストラ!って叫んでる。
商品にちょっとでも不具合があれば消費者団体に突き上げられるし、その不具合を隠そうとしたことがバレるとそれこそ会社が潰れる。
今時の大企業のなんと弱いことか。
あんなのに悪さする根性があるとは思えない。
いつまでもアンブレラで引っ張っていくのは時代に合わないな。
映画『バイオハザード2』をたまたま『4』のプレイ中に観たんだけど、一企業が街全体を覆うバリケード張れると思う?

そうすると、敵はやっぱり宗教かっていう話になるよな、たぶん。
しかし、メジャーな宗教を悪者にするとあちこちから突き上げられて苦しい。
結局マイナーな宗教集団を悪者にするのが妥当な線かな、っていう話になりそうである。
私たちの中に「新興宗教=なにをするかわからん」という固定概念も生まれてしまったし(実際、新しい宗教ほど先鋭的なんだけど)。

私は敵がアンブレラじゃなくなったことにひどく納得していて、そこら辺は全く気にならなかった。
つっこみどころ満載のストーリーだってのは間違いないけど。



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