JRPGの定義はなんだかよくわからない。 日本流のRPGという程度の曖昧な言葉。 私がJRPGと書く場合は、時間さえ使えば誰でもクリアできるように、懇切丁寧にプレイヤーを導いていくような作りのRPG、というような意味である。 誰でもクリアできるわけだから、狭義のゲームとしてはレベルが低いとも言え、やや馬鹿にしたようなニュアンスが含まれてしまう言葉でもあった。 そういう意味でいうと、ちょっとJRPGとは違うかもしれない、『Sea of Stars』は。 事前の評判ではJRPGっぽいと聞いていたのだが。 GamePassだとリリース初日から遊べた、『Sea of Stars』。 4000円のゲームがタダ同然で遊べちゃう。 ゲーム業界にとって良いことなのか悪いことなのかはさておき、大変ありがたい話ではある。 私もプレイした。 ざっくりいうと「マリオ&ルイージRPG」みたいな感じのゲーム。 ターン制のコマンドバトルにタイミングアクションを組み合わせて、一部フィールド上の謎解きを加えたような。 ただし、今どき珍しいドット絵を豊富なパターンでアニメーションさせるので、かなり目を引くゲームでもあった。 パッと見、SFC時代によくあったJRPGっぽく見える。 カナダのインディーズだそうだけど。 しかし、誰でもできる、という印象は持たなかった、最初。 行動範囲が限られていて迷わない反面、経験値稼ぎがほとんどできず、回復アイテムも量が少なかった。 かなりきっちりプレイさせることを意図しているように感じられたな。 難易度を下げるアイテムがあることに気づくまでは何回も死んだ。 パラメーターをインフレさせないような作りになっていて、最後まで割と緊張感はあった。 ボス戦が比較的短いのも、それなりに自信があるんだと思う、プレイヤーを満足させるだけの。 ボス戦を長引かせるのは、難易度を下げる代わりに時間で満足感を引き出そうとしているわけだからね。 ホントにしっかり練って創られたゲームだったよ。 これをJRPGと言ったら、ちょっと失礼に当たる気がする。 今の日本にはこういうゲームを創れる人がいないんじゃないか。 そういう意味では非常に貴重なゲームだった。 |