幼稚園児が保母さんのマネをしてお遊戯している光景を、私はいま頭に思い描いている。 なんで、幼稚園児は保母さんの真似をするのだろうか? 私が思うに、おそらく保母さんを慕っているからだろう。 お母さんの次に自分のことを心配してくれる存在として、園児は保母さんを認識しているのではないか。 そういえば私は幼稚園のころ、保母さんと結婚すると言ったそうである。 覚えてはいないが、大きくなってから母にそう聞かされた。 若気の至りとしか言いようがない。 私は『ハッピーダンスコレクション』をプレイして、これはお遊戯だと思った。 しかし、これは少し問題だ。 『ハッピーダンスコレクション』のHPには、「ジャンル:なりきりダンスゲーム」と書かれているのである。 なりきり、というからにはプレイヤーは主人公アイちゃんと同一だということだろう。 行為の同一性の議論をここでする必要はないが、主体の同一性はやや議論の余地があるのではないか。 私はこのゲームを保母さんのマネをしている児童のイメージで捉えた。 つまり自分とアイちゃんは同一ではないのである。 なりきっているのではなく、私はマネをしたのだ。 自分がアイちゃんと同一かどうか、は負荷のデザインにはまったく影響しないが、キャラの創り方には影響がでる。 自分と同一だとするならば、主人公はプレイヤーがなりたい自分像になるはずである。 一方、マネをしているという話だとすれば、プレイヤーに好きにさせたいキャラクター像になるはずではないか。 このゲーム中の主人公アイちゃんは天然ボケの中2女子として描かれている。 私自身が大人の男性だから今ひとつ判断が難しいのだが、女児から見てこれはなりたい自分像だといえるだろうか。 女児から見ても好きになるキャラクター像だと思うのだが。 自分がなりたい、憧れるキャラクターだとすれば、もうちょっとカッコいいイメージなんじゃないか。 なんでこんなことを書いているかというと、このゲームを「お遊戯だ」と直感した自分を擁護したいからなのだが。 なりきりじゃないだろうと。 まあ、あんまり大した問題ではないのかもしれない。 少なくとも私はこの娘、大好きだな。 Wiiリモコンを突き出す動作をするときなどに、少しカメラが寄るのだが、凄く嬉しそうな顔をしているのでこっちも嬉しくなる。 大人向けの保母さんであるとすれば、大満足な保母さんである。 今の私もぜひお嫁さんにしたい。 そんな思いも、あると思います! |