有罪×無罪

裁判員は日当がでる 2009_07_08

 

裁判員制度が既に始まっている。
あれは困った制度だな。
司法に国民の感覚を、とか言うけど、国民の感覚とかホントにあてになるのか?
アメリカの陪審員制度なんかを見ると、あんまりイイとは思えないのだが。
有名な「O.J.シンプソン事件」などは明らかに殺人の証拠があるのに無罪になってしまった。
止めといた方がいいんじゃないの?
・・・というのは、表向きのコメントで、単にメンド臭いからやりたくない、というのが私の本音のような気がする。
候補者に選ばれたら、何とか言い訳して選考から漏れたいものである。
私は死刑肯定派だけど、死刑だけは絶対に駄目!とか言い張ってみるか・・・。

そんな出来れば避けたい裁判員制度をモチーフにしたゲームがある。
『有罪×無罪』がそれだ。
裁判員制度の開始にタイミングを合わせて発売されたこともあって、なんとなく色物っぽい先入観を私は持っていた。
しかし、これは色物でも何でもなかったな。
裁判員制度を見事にゲーム化していた。
実際に裁判員が裁判の中でどう動くのか知らないからホントかどうかはわからないのだが、なるほどこれが裁判員か、というリアリティがある。

第一話なんかは、いきなり人を裁くことの難しさを感じさせた。
嫁がやらかした火事によって姑が一酸化炭素中毒で死亡する。
この火事が故意か過失かを認定することが裁判員の仕事だ。
でも、故意か過失かなんて本人しかわからないよな。
反省しているそぶりでも裏じゃ、ぺろっと舌を出しているかもしれないのだ。
そこを状況証拠を積み重ねて、推理していくわけである。
やってることは凄く地味なんだけど、そこがまたリアリティを感じさせるな。

普通、推理もののゲームやってるときって、大体犯人がわかっている、つまり結論がわかっていて、そこへどうロジックをすりあわせていくか、を考える。
しかし、この『有罪×無罪』は結論がわからないまま、話を進めていくところが面白いな。
自分をニュートラルにして考えていく必要がある。
プレイしていくと、自分の中で「こいつ犯人だろ」と決めつけて、議論を誘導しそうになる自分に気付くことがあった。
ああ、裁判員ってこういうもんなんだなって感じがしたな。
第2話、第3話と進めていくと、普通の推理ものに近い感じにはなってくるけど。

ちなみに裁判員をやると日当が貰えるんだそうである。
ゲームやると、逆にお金が掛かる。
だったら、裁判員やってきたらいいんじゃねえの?って気がしないでもない。
そんな気にさせるゲームではあるな。
裁判員制度の「How to ゲーム」として配ったらいいんじゃないか。
バンダイナムコにそんな義理はないだろうけど。



<後日談 2009_07_15>
このゲーム、いっくらでも続編作れそうだな。
各話独立というだけじゃなくて、主人公も毎回リセットされるから、事件だけ変えれば延々続けられる。
第1話みたいに、本当のところは被告本人しかわかんないだろ、っていう判断の難しい話を希望。


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