PS4、イケニエと雪のセツナ

イケニエになるために産まれてきた 2016_03_26

 

仮に。
うら若きお嬢さんが自らイケニエになると言いだしたら、さてどうするか?
イケニエがいなければ自分に害が及ぶということであれば、私は黙っているかもしれない。
でも、そうじゃないなら、思いとどまるように説得したいな。
人間は自分が生きていることがすべてですよ。
他の人を生かすために自分を犠牲にするなんてあり得ない。

大体おかしいでしょ、若いお嬢さんがイケニエになりたいなんて。
まわりからプレッシャーかけられてるとか、子供の頃からすり込まれてきたとか、絶対なんかあるに決まってる。
ちょっと話を聞かせてご覧なさいよ、と私は思うのである。
話してくれないと、こっちも説得しようがないじゃん。

ところで、『イケニエと雪のセツナ』について、これから書こうと思っている。
ハッキリとは書かないつもりだけれども、それとなくラストにも触れてしまうので、これからプレイするつもりのある方は読み進めないで下さい。


『イケニエと雪のセツナ』に対して私は割と好意的。
内容について大雑把に言えば、FF7とかFF10あたりから喜ばれそうなエッセンスを抽出して、FF3みたいな簡素な構成で仕上げました、といった感じの作品だった。
マップすらないんだけど、行くところが一つしかないのがイイ。
それに戦闘がサクサク進むので、やってて嫌にならない。
雑魚戦はあっという間に終わるし、ボス戦を含めても20分かかる敵はいなかったんじゃないか。
寒い地方特有のさみしげな雰囲気も悪くないな。
なかなか面白かったよ。

ただひとつ、ずっと気になっていたことがあって、それがイケニエのセツナ。
この娘さんが、とにかくずっとイケニエの使命を果たしたいの一点張りなんだ。
まるで戸惑うそぶりを見せない。
死にたくないと怖じ気づいたり、主人公に恋心を抱いたり、そういうことは一切なし。
全身これ慈悲の塊のようなキャラクター。
子供の頃のエピソードとかも全然話してくれないんだ。
説得しようにも、とりつく島もなかった。
どうにも思い入れを持ちにくいお嬢さんだったな、このセツナは。

私はもちろん、最後の選択はあっちを選びましたよ。
そらそうでしょ。
あれおかしいじゃん、そもそも。
でも、ここまでセツナを非人間的に描いてきたからには、創り手が想定する正解は別の方なのかもしれない。
そこいら辺が私がFF7に似てると思った所以でもある。


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