ルートレター、PSVita版

ずっと後悔していること 2016_08_11

 

私が大学一年生だった時の話である。
菅平合宿に向かうバスの集合時間に遅れた。
自分のために全員を待たせるのは申し訳ないので、家を出る前に電話して、ひとり電車で行くと伝えた。
私は名古屋駅から特急しなのに乗って、とりあえず長野方面に向かうことにした。

電車の中で私は考えた。
一年生で遅刻するのはいかにもバツが悪い。
みんなより先に合宿所に着いてしまおう、と。

長野駅だったか、上田駅だったか、記憶が定かでないが、駅に到着した私は急いでみどりの窓口に飛び込んだ。
当時はスマホどころか携帯だって持ってないので、教えてもらうより他にないのである。
入り口から一番近いところにいた職員にいきなり「菅平行きのバス乗り場はどこですか?」と訊いて、教えてもらうとお礼も言わずに私は飛び出した。
バス乗り場に行くと、ちょうどイイ案配に菅平高原行きのバスがやってきて、私はそれに乗り込んだ。
結局のところ、私はみんなより先に到着して、特にお咎めを受けることもなかった。
めでたしめでたし、である。

しかし、ひとつ後悔していることがある。
みどりの窓口で、私はお礼を言わなかったし、頭に「済みませんが」も付けなかった。
あれはまずかったな。
応対した男性職員が怪訝な顔をしていたのを、二十数年経ったいまでもときどき思い出しては反省している。

ところで、なんの話だか分からなくなってきたが、実は『ルートレター』について私は書こうとしているのである。
あだ名の付け方がぞんざいだの、恫喝ゲームだの、とかいうネガキャン記事を見て、一応やっておかなきゃとは前から思っていた。
そんな事言われたら知りたくなるじゃん、どうしたって。
やってみたら、そこはそんなに気にならなかった、というかむしろ笑えた。
私が気になったのはそこじゃなくて、主人公の初対面の人に対する口の利き方である。
以下、書きたいことだけ書く。

島根に着いて最初に登場する郵便配達人に対する口の利き方が失礼で、いきなり読みたくなくなった。
15年前に高3だったってことは、いま33歳だろ。
33歳にもなって、そんな昔のエロゲーの主人公みたいな口の利き方ではあかんよ。
全くなってない。

だが、プレイを進めていくと、ゲームシステムに主人公のキャラが引きずられている印象は出てきた。
警察官でもなければ探偵でもない一般人の主人公が、罪もない一般人を問い詰めるゲームなのである、これは。
そりゃ礼儀正しい青年では話が成立しないよな。

となると、ゲームシステムとストーリーが合っていない、というべきなのかもしれない。
このお話自体はわりと好き、私は。
15年前に文通していた少女に何が起こったのかを解き明かすっていう現実的なお話は、ループものに飽き飽きしていた私には新鮮に感じられた。
だけど、問い詰める部分はむしろギャグ寄りのシステムだよね。
マックスモードなんかは絶対笑いを取りに行ってるだろ。
逆転裁判みたいな雰囲気だったら受け入れられるけど、真面目な話には合わない。
紙芝居だとか言われないように、何かしらゲームを入れなきゃって思ったんだろうけど、それにしてもなあ。
ふざけたシナリオに突入すれば、話はまた別なんだろうが。

一応、トゥルーエンドを見るまではやったけど、これはしんどかった。
歳のせいかな。
自分の考えと合わない主人公に全く感情移入できなかった。


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