ゲームのライバル

ゲームのライバル '99_05_02

 

世間では『宇多田ひかる』が大ブームだ。
私は平素、全くと言っていいほど音楽を聴かない。
しかし、さすがに聴かないとまずいかなあと思い、レンタルしてきた。
思いの外はまってしまい、ノリノリで歌っていたら隣の住人に怒られる始末。

音楽という奴は恐ろしい存在だ。
ふと気がつくと、知らぬ間に1時間や2時間は経ってしまう。
なんと心地よく楽な時間だろう。

私はいつもゲームしているときの自分を思う。
我慢の連続だ。
何でリセットを繰り返しているんだろう?
何で単調なレベル上げに耐えているんだろう?
何で敢えて難易度を上げて戦うのだろう?
それはその先にある喜びを求めているからだとわかっているけど、時には投げだしたくなるときもある。
なんの努力もなく心地よさを味わうことの出来る音楽に、多くの若者が流れていくことを責めることは出来ない。
あまりにも強力なライバルだ。

右肩上がりの成長を続けてきたゲームのライバルは、何も古参の音楽だけとは限らない。
メールもそうだ。
私にとって、はじめは実用的な意味合いしか持っていなかったが、書いているうちに楽しくなってホビーになりつつある。
DCの通信機能が、メールばかりに使われることをおそれるメーカーさんの話が雑誌に載っていた。
さもありなんである。

実はこうやって文章を書いている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。
ゲームしてないのである。
文章を書くのは、それが楽しいからだ。
ひょっとすると多くの人がゲームから離れていくのは、必ずしも大人になるからではないかもしれない。
それぞれに「これはっ!」という自分なりの何かを見つけているのかも。

生涯一ゲーマーでありたいと思う。
ゲームだって一つの選択肢になり得るはずだ。
しかし、それはいつか覆されるかもしれない。
それでも今はゲーマーなんだと強く思う。


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