プリンス・オブ・ペルシャ 時の砂_2

トライを妨げない 2005_02_03-04

 

前の話にも書いたけど、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』の「時間の砂」による巻き戻し効果には驚いた。
あれは素晴らしい。
今時のゲームとしてはひどく理にかなっている。

ゲームをしていて、ときどき私は「あれっ?これおかしいぞ」と思うことがある。
ゲームってのはプレイヤーが挑まなければそもそも成立しないものなのだが、誰も挑みたくなどない。
特に大人になれば、ゲームするのも仕事するのも負荷としてはそんなに変わらないので、あんまりやりたくないわけである、普通の人は。
そこを頑張ってプレイしてくれているのに、わざわざトライを妨げるようにデザインしてどうするねん?と私は思うのだ。

一回でクリア出来るようなバランス取りならばいいのだが、明らかに何回か挑戦してくれ、という場合、当然そのトライを妨げてはならない。
具体的には、直前からリプレイしたい。
更にそれだけではなく、ロードタイムも削ってもらいたい。
何回もやり直すとき、5秒10秒のロードでも相当腹が立つ。
もしデータ量を増やさないとデザインの質が上がらないというのならば、多少デザインの質を落としてでもロードを短くしなければならないと私は確信している。(だから私は高橋兄弟みたいに、快適さを優先する開発者が大好きである)
もちろん、実際にはそうではなく、直前コンティニューのないものや、創り手が必要とするだけのロードタイムをたっぷり使っているモノの方が圧倒的に多い。(リプレイに障壁を設けることもゲームの一部だと考える人はいるかもしれないが)

ところが、この問題が全部「時間の砂」によって解決してしまうのだ。
どうせリプレイするんだったら、巻き戻ったってイイじゃん!
それがシナリオ上で説明出来たら尚更イイじゃなーい、っていうのだが、ちゃんと説明出来ている。
本当に感服したな、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』は。

きっと、「時間を巻き戻す」という必要からシナリオが逆算されて出てきたんじゃないか。
そう疑わざるを得ないぐらい良くできてる。
どんどん他のゲームもマネすればいいのな。
なかなか「時間を巻き戻す」って組み込みにくい要素ではあるだろうけど。




<余談>
書いていて思ったのだが、『ビューティフルジョー2』はその設定上、「巻き戻し」を組み込みやすかった。
舞台がフィルムなんだから。
シルビアにでも使わせてやれば良かったのに。



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