バイオハザード リベレーションズ

意地も感動もない 2012_02_26

 

『バイオハザード0』の初出記事を読んだのはいつのことだったか。
時系列が判然としないのだが、たぶんDCの撤退が発表された後だったと思う。
あれは嬉しかったな。
メジャータイトルがメジャーなPS2じゃなくて、マイナーなGCで発売されるなんて。
しかもその理由が、GCの方が表現力が優れているからだってあたりは、ゲーマー心をくすぐられる話であった。
男気があるじゃないか。
まあ、あんなに嬉しかったのは、大将がいなくなって任天堂陣営に荷担せざるを得なかったからだとは思うけど。
しかし、もうあんなことは起きないんだな。
今時の若いゲーマーは可哀想だよ。

『バイオハザード リベレーションズ』をプレイし終えた。
もう「バイオハザード」はいいだろ、と思いつつ、やっぱりあればあったでプレイしてしまうんだな、これが。
3DSの使い道も探さなきゃいけないし。

今回の『リベレーションズ』は割と恐怖感がある。
最初はなかなか面白いじゃないか、と思ったのだが、よくよく考えてみると恐怖の性質があんまりよくないことに気づいた。
恐怖の原因は主に周囲が見づらいことにあって、気づくのに遅れた耐久力のある敵に接近を許してしまうからだ。
操作に慣れていないせいもあって、あたふたしちゃうんだよ。
だから、避けがあるわけなんだけど。
これ、右スティックがあれば解決しちゃうんじゃないか、と思って、拡張スライドパッドを買ってみたら、案の定、普通のTPSになった。
そうしてみると、無理矢理3DSで出す必要はないゲームだな、という気がして急速に興が削がれていったな。
もともと右アナログスティックを備えているPSVで出すなら、まだ話は分かるが。

いまや向き不向きでゲームを開発する時代じゃなくなったんだ。
売れるプラットフォームで売れる作品を如何にタイムリーに発売するか、が重要なんだろうね。
開発者が意地を張ってプラットフォームを決定することは、もう期待できない。
ゲーム開発にお金がかかりすぎたり、昔ほどゲームが売れなくなったりで、致し方ないんだろう。
昔はホントにわくわくしたけどね。
ゲームアーツが時代に逆らってSSで2DRPGを!なんつって、『グランディア』創ってみたり。
たとえそれが面白くなかったとしても、別によかったわけだよ、こっちは。
わくわくさせてもらえれば、さ。

『リベレーションズ』なんか、3DSが発売されてからたった1年でリリースできちゃってる。
すごい開発力だよ。
開発に迷いがあったら間に合うはずがない。
3DS向きの作品を創ろうって考えたわけじゃなくて、従来型のゲームをそのまま創ったんでしょ。
それなりにちゃんと出来てたよ。
でも、そこに創り手の意地はないし、受け取る感動もない。
なんだか寂しい感じのするゲームだったな。


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