極限脱出 9時間9人9の扉

狙い通りのはずだが 2009_12_21

 

シナリオの書き手は、当然先を見越して書いている。
連載ものならいざ知らず、完結した状態で世に出すものであれば、まあ当然そのつもりのはずだ。
最後にあっと言わすつもりで意図的に情報を出さなかったり、誤解しやすいように書く。
その狙いにズバッとはまれば、プレイヤーも面白いはず・・・・なのだが、実はそうでもなかった。
これからそういう話を書きたいと思っている。

『極限脱出 9時間9人9の扉』が発売されることを私はすっかり忘れいた。
というか、元々まったく調べてはいなかったのだが。
スパイクを発売元にして年末にアドベンチャーゲームを出す、というようなインタビュー記事を読んだのはずいぶん昔のことで、その当時にはタイトル名すらも決まっていなかったと思う。
発売日になって慌てて注文したのだが、その時はじめて説明文を読んで、私は映画の『CUBE』を連想した。
999という無機質な数字の羅列と「極限脱出」というタイトルが『CUBE』を連想させたのである。
規則性のある空間に閉じ込められた9人がサバイバルゲームをやらされるんだろうな、と予想した。

ゲームを始めてみると、印象は少し変わった。
『CUBE』じゃなくて、むしろ『SAW』の方か、と。
主人公がいきなり拉致されるシーンなんかからして、『SAW』っぽい印象を持ったのである。
それは私の印象だから、別にどうでもイイといえばどうでもイイ。

しかし、そういう印象でプレイしていると、どうもオカシイ。
全く緊迫感がない。
制限時間が全体で9時間という緩やかな制限になっていて、個々の謎解きには時間制限もなんにも無い。
ただのありふれた謎解きに過ぎなかった。
登場人物達はやけにノンビリしていて、お互いのことが全く分からない(主人公からすると)のに、えらく和気アイアイと脱出ゲームをこなしていく。
生き延びるためにもがく姿が全く描かれないのである。
なんでもっと必死にならないのかな?と思わざるを得なかった。
やってて、凄く眠かった。
というか、何回か寝ちゃったな。

おかしいなと思いながらも、繰り返しプレイして、真のエンディングに近づいていくと、ようやく話が分かってくるのである。
実はサバイバルゲームじゃなかったのだ。
脱出劇と見せかけて、実は○○劇・・・、と見せかけて実は××劇、という構成になっていた。
発売されたばかりだし、○○と××は伏せておくけども。
えー、そんなんなのー、とは思ったな。

おそらく私は書き手の狙いにバッチリはまった状態でプレイしていたと思うのだが、エンディングを迎えても全然嬉しくなかった。
おかしいな、と思ってる時間が長かったからなのか。
非科学的、かつ非現実的な話だからなのか。
だまされて私がへそを曲げているからなのか。
なんだかよくわからないけど、凄くイヤな感じ。
狙い通りのはずなんだけどな。



<追加>
1年ぐらい経ったら、○○と××を書き加えておこうと思う。
忘れなかったら、だけど。







<答え 2010_12_27>
○○ = 復讐
×× = 救出


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