パワプロ2000、パワプロ6

書けなかったレポート 2000_06_06

    

「実況!パワフルプロ野球2000」のペナントレースも、もはや残すところ
59ゲームとなった。
64勝12敗、マジック37が点灯。
ひとり無人の野を行くが如くだ。
松井も3割8分、70ホーマー、120打点を記録しており、喜ばしい限りだ。
もっとも、前作よりも少し敵が弱くなったかな?という気はしている。(難易
度パワフル)

さて、私にはやり残してしまった仕事がある。
それは、前作「パワプロ6」でのこと。
私は「パワプロ6」をプレイしながらメモを取っていた。
A4の紙に、それはまるで寄せ書きのように書かれていた。
気が付いたことを記録しておき、ペナントレースをやり終えたら、それをレポ
ートにまとめたいと思っていた。
それをコナミに送ったところで、読んでもらえるかどうかはわからないが、自
分の満足のためにやってみたかったのだ。

ところが、優勝決定間近のある日、データが飛んでしまった。
さすがに120試合近くプレイしてきた果ての事態に、私は再度やり直す気に
なれなかった。
そして、私はレポートを書く意欲も失ってしまった。
探してみたのだが、もうあの数枚のメモは見あたらない。

私は自分が書き留めたメモの内容を思い出して、いま自分がやっているプレイ
と比べてみることにした。
すると驚くべきことに、私が感じていた問題点はほとんどが潰されていた。
実に素晴らしい。
ただ、それは私が考えていた方向性とは違うものだった。
私が考えていたのは、「Z」ボタンの導入だったのである。

パワプロシリーズでは、64の素晴らしいコントローラーの中でも一際光を放
つZボタンを使わない。
私はZボタンの導入によって、一挙に全てを解決できると考えていた。
今となってはあのメモの全てを思い出すことは出来ないし、全てを書いたらと
ても終わりそうにないので、掻い摘んで書いてみたい。

問題点はこんな感じ。
流し打ちのゴロが、まず滅多に野手の間を抜けない。
流し打ちのホームランはほとんど不可能だ。
強振の方が有利に感じてしまうこと。
左の強打者だとライトゴロが多い。

私は打撃面において、Zボタンを「流し打ち強打」に割り当ててみたかった。
もちろん流し打つのはタイミングによって行うのだが、流し打ったときに打球
が強く飛ぶように設定する。(押しながら引っ張ったら、もちろん飛ばない)
この場合、画面には必ずしも表示されなくてもいいだろう。
これで上2つの問題は解消だ。

打撃時以外では、Zボタンを「ファインプレイ」に割り当ててみたかった。
基本的にパワプロは強振が有利すぎるので、もっと強振判定を厳しくして、内
野手の間を抜けたり外野手の前に落ちるボールが多くなるように調整し直す。
また、強い当たりを取ったときなどは、返球するまでに時間がかかるようにす
ればライトゴロもなくなるだろう。
しかしそれでは、プレイヤーから快感を奪う一方なので、新たな喜びを提供し
なければなるまい。
それが「ファインプレイ」ボタンなのだ。

Zボタンを押しながらボールを取ると、送球動作が速くなる。
その代わり、トンネル・ファンブルの確率が非常に高くなるように設定する。
そうすれば、捕殺をねらうときに一種のギャンブルを提供できるだろう。
いや、バント処理だって、ゲッツーだって、勝負をかけたいときはある。
走塁側だって、ホームにスライディングするときZボタンを押していれば、回
り込めたりすると楽しいに違いない。(ベースタッチし損ねる可能性もあり)
キャッチャーはキャッチャーでブロックできるとかあると、なお楽しい。(も
ちろんボールをこぼしたり)

といった具合に、Zボタンを色々なシーンで使ってみたら、現在の欠点を補い
つつ、なおいっそうパワプロの世界が広がるんじゃないかと私は考えていたの
だ。

もっとも現実のパワプロ2000では、微調整によって欠点が補われていた。
「広角打法」という特徴が設けられたり、守備の上手い下手をエラー率だけで
なく送球までの速さで表現したり、外野手がボールを拾ったときに少し滑った
りといった数え切れないほどの微調整によって、全体をまとめてきた。
ここまでやるか?というぐらい良く出来ている。(強振有利は不動だが)

もし私があのレポートを仕上げていたら、何か変わっただろうか?
いや、おそらくは変わるまい。
開発の人が読んでくれた保証はないし、読んでもPS2にメインストリームが
移行した今、バランスを一から取り直すなんてことはないだろう。
そもそもこの意見が傾聴に値するかもわからないのだ。

だが、それでも私は後悔している。
書いておけば良かった、と。


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