おかしな話

おかしな話 2005_06_01

 

気になる記事を読んだ。
私が以前プレイした『流行り神』の廉価版が出るそうである。
タイトルは『流行り神 Revenge』。
私が『流行り神』の中古を買ってしまったせいで、またSCEに儲けさせてしまいそうである。
が、その話はおいておく。

問題なのは、『流行り神 Revenge』の内容である。
未読テキストスキップができるようになる、既読テキストスキップが高速になる、選択済み選択肢が分かるようになる、などの機能が追加されるそうだ 。
値段は2940円。

この内容が意味するところは要するに、単位時間あたりの喜び量を増加させます、及び、単位費用あたりの喜び量を増加させます、ということである。
なんかおかしいと思わない?
だって、テキストを早く読みたい、とか、同じ文章を読みたくない、とか、そんなこと初めから分かってることでしょ。
つまり、今までは敢えて時間がかかるようにしていたわけだ。

もし、ゆっくり読んで欲しい、というどうしても譲れない思いがあってそうしているんだったら、ベスト版になったって変わらないはず。
となれば、前回はあっという間に終わってもらっては困る事情があったのに、今回はない、ということである。
詰まるところ今回はベスト版。
安いからプレイタイムを稼ぐ必要がないのだろう。

『流行り神』に限らず、これはホントに困ったことで、私たちは高いお金を払ってわざわざ時間を無駄にさせられているのである。
前にも書いたことがあるけど、価格でプレイタイムに縛りがかかるのに内容を増やすのには限界があるから、わざと間延びさせていく。
単位時間あたりの喜び量をプレイヤーが我慢できるギリギリまで薄めようとしてくるのだ。
どれだけ時間を使ったかもプレイヤーの満足感に影響を及ぼすので、創り手としては時間を消費させなければならない側面がゲームにはある。
ゲームの内容から価格が導き出されるわけではない、ゲームならではの事情なのだ、これは。

別に『流行り神』だけが悪いわけじゃないんだけど、紹介記事を読んでいたら、熱にうなされながらデータベース埋めをやっていた時の苦しさを思い出して、腹が立ってきた。
ゲームの世界もいい加減変わってくれないと、こっちも大変。
喜び密度を上げる方向で初めから考えていただきたいものである。



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