マリオ+ラビッツ キングダムバトル

ラビッツはご褒美たり得るのか 2018_02_04

 

SRPGは難しい。
何が難しいって難易度の調整が難しい。
簡単すぎるとやっても意味がないし、かといって難しいとメンド臭い。
失敗するとやり直すのに時間がかかるからね。
敵のターンを見なきゃいけないタイプだと特に。
一方で当然、プレイヤーごとに求める難易度は異なるはずだ。
幅広いユーザー層に売りたい場合、勢いゲームそのもので勝負することは出来なくなる。
結果的にご褒美で釣る作品が多くなるだろう。
いまだにギャルゲーやエロゲーにSRPGを採用するものが多いのは、その性質上当然なのかもしれない。

さて、いま私は『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』について書こうとしている。
果たして「マリオ」はご褒美たり得るのか、と考えてみる。
いや、ならないだろう。
我々は「マリオ」というキャラが特に好きなわけじゃないんだ。
「マリオ」はゲームの出来の良さを保障するブランドというべきか、あるいは商標的な性質を持っているに過ぎない。
商標の世界ではそういうのを品質保証機能と呼ぶのだが。
とすると、ここで問題になるのは、「ラビッツ」がご褒美たり得るのか、になるはずである。
このウサギをバナナマンの日村でフィーチャーしたようなキモいキャラが。

そもそもの話をすれば、私は『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』をやりたいわけじゃなかった。
SRPGはもうメンド臭くて。
それでもやったのは他に何もないからだよ。
NS、PS4、3DS、PSVitaと4つも現行機種があって、やりたいゲームがなんにも発売されないってのは一体どういうことなのか。
日本のゲーム業界はもう終わってるのかな。

それはどうでもいいとして、やってみたらこれがまた超骨太なSRPGだった。
これは難しいよ。
敵味方の移動距離、攻撃範囲、特殊攻撃、追加効果などを全部頭に入れてやらないと簡単に全滅する。
少なくとも一回目でパーフェクトを出すのは、第2ワールドあたりから無理なんじゃないかな。
演出面も含めて、酷くよく出来たゲームではある。
面白いと思うよ。
でも私はやっぱり何回もやり直すのはイヤだったな。
難易度を下げる事も出来るし、実際何回も使ったけど、そうするともう面白くはない。
となれば、ご褒美に着目せざるを得なくなる。

最初はキモイと思ったよ。
どっかの団体から差別を助長すると怒られそうな顔してるし、振る舞いが超下品。
なぜこのキャラを使ったのかと任天堂の正気を疑った。
でも、そのうちだんだん可愛く思えてきた。
悪戯好きだけど、そんなに悪い奴らでもないんだ。
意外とクリエイティビティが高くて、次は何をするんだろうという楽しみはあった。
もっと意外だったのは、ラビッツピーチあたりが凄く魅力的だった事。
ラビッツピーチだけやけにキャラが立ってたな。
ピーチ姫に嫉妬したり、自撮り写真をやたらと撮りたがったりするのが面白かった。

カメラワークも良かった、大写しが多くて。
ひょっとしたらNSで初めてじゃないかと思うのだが、ムービー時の視点が携帯向けであるかのように近かった。
おかげでキャラの魅力が強く伝わってきたな。
終わる頃にはラビッツの事が大好きになっていた、私は。

結論としては、ラビッツはご褒美になる。
メチャメチャなる。
ゲームがしんどくても最後まで耐えられたんだから。
つまり創り手の狙いは正しかった、という事だろう。


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