SRPGは難しい。 何が難しいって難易度の調整が難しい。 簡単すぎるとやっても意味がないし、かといって難しいとメンド臭い。 失敗するとやり直すのに時間がかかるからね。 敵のターンを見なきゃいけないタイプだと特に。 一方で当然、プレイヤーごとに求める難易度は異なるはずだ。 幅広いユーザー層に売りたい場合、勢いゲームそのもので勝負することは出来なくなる。 結果的にご褒美で釣る作品が多くなるだろう。 いまだにギャルゲーやエロゲーにSRPGを採用するものが多いのは、その性質上当然なのかもしれない。 さて、いま私は『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』について書こうとしている。 果たして「マリオ」はご褒美たり得るのか、と考えてみる。 いや、ならないだろう。 我々は「マリオ」というキャラが特に好きなわけじゃないんだ。 「マリオ」はゲームの出来の良さを保障するブランドというべきか、あるいは商標的な性質を持っているに過ぎない。 商標の世界ではそういうのを品質保証機能と呼ぶのだが。 とすると、ここで問題になるのは、「ラビッツ」がご褒美たり得るのか、になるはずである。 このウサギをバナナマンの日村でフィーチャーしたようなキモいキャラが。 そもそもの話をすれば、私は『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』をやりたいわけじゃなかった。 SRPGはもうメンド臭くて。 それでもやったのは他に何もないからだよ。 NS、PS4、3DS、PSVitaと4つも現行機種があって、やりたいゲームがなんにも発売されないってのは一体どういうことなのか。 日本のゲーム業界はもう終わってるのかな。 それはどうでもいいとして、やってみたらこれがまた超骨太なSRPGだった。 これは難しいよ。 敵味方の移動距離、攻撃範囲、特殊攻撃、追加効果などを全部頭に入れてやらないと簡単に全滅する。 少なくとも一回目でパーフェクトを出すのは、第2ワールドあたりから無理なんじゃないかな。 演出面も含めて、酷くよく出来たゲームではある。 面白いと思うよ。 でも私はやっぱり何回もやり直すのはイヤだったな。 難易度を下げる事も出来るし、実際何回も使ったけど、そうするともう面白くはない。 となれば、ご褒美に着目せざるを得なくなる。 最初はキモイと思ったよ。 どっかの団体から差別を助長すると怒られそうな顔してるし、振る舞いが超下品。 なぜこのキャラを使ったのかと任天堂の正気を疑った。 でも、そのうちだんだん可愛く思えてきた。 悪戯好きだけど、そんなに悪い奴らでもないんだ。 意外とクリエイティビティが高くて、次は何をするんだろうという楽しみはあった。 もっと意外だったのは、ラビッツピーチあたりが凄く魅力的だった事。 ラビッツピーチだけやけにキャラが立ってたな。 ピーチ姫に嫉妬したり、自撮り写真をやたらと撮りたがったりするのが面白かった。 カメラワークも良かった、大写しが多くて。 ひょっとしたらNSで初めてじゃないかと思うのだが、ムービー時の視点が携帯向けであるかのように近かった。 おかげでキャラの魅力が強く伝わってきたな。 終わる頃にはラビッツの事が大好きになっていた、私は。 結論としては、ラビッツはご褒美になる。 メチャメチャなる。 ゲームがしんどくても最後まで耐えられたんだから。 つまり創り手の狙いは正しかった、という事だろう。 |