パンチライン PSVita版

心意気は買いたい 2016_06_30

 

20年以上前の話になるが、トム・ハンクスが出演している作品を片っ端から観たことがある。
当時はネットをほとんど活用していなかったので、近所のゲオで見つけられる範囲だけだが。
その中に「Punchline」という作品があった。
タイトルの意味が分からなかったので辞書で調べたら、「Punchline」は漫談のオチを指す言葉だと分かった。
映画の内容はぼんやりとしか覚えていないのだが、辞書を引いたことだけは良く覚えている。

時は変わって、つい先日のことなのだが、アマゾンでPSVitaのゲームを探していたところ、極めて低いランキングに『パンチライン』というゲームを見つけた。
目にとまるタイトルだったな。
どうやらアニメ原作もので、パンチラが重要なファクターになっているギャルゲーっぽい感じだった。
おそらくパンチラがパンチラインと係ってるんだろう。
ちょっと興味が湧いたので、やってみることにした。

結論から言うと、パンチラとパンチラインの繋がりはよく分からなかった。
ええっ?またあれオチかよ!という感想はあるかもしれないが、そんな自虐的なタイトルは付けないだろう。
パンチラとラインをつなげただけなのかな?
成功へとつながる極めて細いpathをラインと表現したのかもしれないが、ただ響きが良かっただけなのかもしれず、まあ、考えるだけ無駄なのかもしれない。

しかし、実は意外と面白かったんだ。
アニメ原作のギャルゲーとは思えないチャレンジがそこにはあった。
このお話の主人公はおパンツ様を続けて2回見ると人類が破滅するという設定になっていて、そこには「風が吹けば桶屋が儲かる」理論がある。
これをゲームに落とし込もうとしたところは買いたい。
霊体になった主人公がアパートの住人に悪戯を仕掛けて、悪戯の連鎖を引き起こすことで、目的を達成するっていうのはなかなか面白い試みだったな。
私が昔大好きだった『ボクは小さい』にちょっと似てるかも。
ただし、実際のゲームはほとんど無意味だったが。
5回トライできるのに、動かせるものが6個しかないとか、ほとんどゲームの体を成してはいなかった。
最後の方は「何を動かすか」ではなく、「動かせるものがどこにあるのか」を制限時間内に探すことがゲームになっていて、ややガッカリするところはあった。
やってみるまで因果関係が分からないから、あんまり難しくしてもプレイヤーは喜ばないと思ったんだろうな。
買うのはほとんどがアニメから入ってきた人たちだろうし。

だからといって、面白くなかったわけじゃなく、ストーリーも意外と楽しめた。
私がいつも、いい加減にしろって言ってる系統のお話なんだけど、見せ方がちょっと違うので、嫌悪感はそれほどなかった。
バランスが良いのかな。
おふざけと真面目のバランスが。
あんまりふざけすぎると、人類が滅亡しようがどうでもよくなっちゃうし、真面目すぎると設定を受け入れられないでしょ。
キャラが濃いせいもあってか、割とすんなり飲み込めたな。

当初の目的とは全然違う結果になったが、意外とよかった。
アニメの素材をそのまま流用してるらしく、ほとんど売れなかった割には安っぽい感じもなかったし。
アニメ原作のギャルゲーだって、そう馬鹿にしたもんでもないな。


<追加>
OPとEDを20回以上聞かされるのにはウンザリした。
スキップできないし、Vitaを放置しておくとスリープするから放置も出来ない。
いまの世の中、時短が流行りだから、時間稼ぎは本来よくない。
それでもやらねばならないのが、買い切りゲームの難しさだな。


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