ファイヤープロレスリングD

あのチャンピオンベルトはどこへ 2001_03_18

 

『ファイヤープロレスリングD』を買ってきた。
懐かしいゲームだ。
昔から全然変わってないんだよね、これって。
まあ、一人で遊んでると口を使えないので(注1)、楽しさも半減だけど。
なんだか懐かしいので、今回は昔話を書く事にしようと思う。

大学生の頃、私は下宿の2階に住んでいた友人とよくゲームをしたものである。
もっともよく遊んだのは『フォーメーションサッカー2』だった。
そして2番目が『ファイヤープロレスリング』だったのである。
『2』だったか『3』だったか、今一つハッキリ覚えていないのだが。

以前書いたこともあるが、『フォーメーションサッカー2』に「さつきカップ」(注2)を作った私達は、続いて『ファイヤープロレスリング』用にチャンピオンベルトを作ることにした。
それは私の持っていた電池切れの腕時計に、プラモ用の装飾絵の具で彩色したちょっと手の込んだものであった。

しかし、『フォーメーションサッカー2』と同じように私達はそのベルトを巡って激しい争いをした・・・・、かというと、そうではなかったのである。
こっちの方は全然盛り上がらなかった。
なぜか?
それは二人の戦いのコンセプトが全く違っていたからである。

私は、実在するレスラーを使って、それらしく戦って勝ちたかった。
それも国産選手で。
例えば力丸(長州力)だったら、
序盤はボディースラムあたりから入って、ロープに振ってキチンシンク、わざと攻め込ませ隙をついてバックドロップ、起こしてブレーンバスター、ロープに振ってラリアート、倒れたところをサソリ固め
といった具合に。

しかしながら、2階の友人はそうではなかった。
エディットモードで、ブルーザーブロディベースの最強キャラを作って戦うのである。
しかも、簡単に出せる追撃Aボタンに必殺技属性のギロチンドロップをセッティングするのだ。
私は勝てるはずもなかった。
技を7:3で取っても勝てなかった。
私はしばしば「そんなプレイで楽しいのか?おまえは?」となじったが、彼は意に介するところもなかったようである。

結局そんな二人の間で、チャンピオンベルトを巡る意地の張り合いなど起こるはずもなく、戦いは自然消滅した。
まあ、当然といえば当然である。
あのチャンピオンベルトはどこへいったんだろう?

やっぱりゲームには思い入れが必要である。
思い入れがゲームを面白くする。
私の態度は間違っていなかったと今でも思うのだ。

もっとも、『ファイヤープロレスリングD』に登場するキャラの多くを私は理解できない。
一体こいつらは誰なんだろう?(注3)
なんだか、10年も経たないうちにプロレスの世界は随分と複雑になってしまった。


<語注>

(注1)「口を使う」:
やたらと相手を褒めて、調子を狂わせること。
「いぃ〜ボタン押しするねえ〜」とか。
ファイプロはボタンを押すタイミングの正確な方が技をかけることが出来るから。

(注2)「さつきカップ」:
住んでいたアパートの名前にちなんで名付けた。
タバスコの空き瓶をアルミホイールで包んだ粗末なものだったが、感情的対立に発展するほど激しく奪い合ったものだ。

(注3)「こいつらは誰?」:
ファイプロでは実名は使えない。
最近のプロレスは団体が色々あるし、新日本プロレスなんかものすごい数のレスラーがいるし、誰が誰だかさっぱりわからないのだ。


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