マリオ&ルイージRPG

大切にされるマリオ 2004_01_13-14

 

通常、キャラクターには性格付けがなされるものである。
「キャラクター」というのは実態のない概念のようなもので、何かを与えると何か一定の反応を示す点では関数みたいなものだと言って良いかもしれない。
性格付けがないと、そのキャラクターがどんな反応を示すのかわからないので、通常は性格付けをするし、性格付けがより細かいほど大切に創造されたように感じられる。

ところが、私は『マリオ&ルイージRPG』をプレイして、あることに気がついた。
ルイージには性格付けがあるのに、マリオには性格付けがない。
ルイージには「臆病者でやや姑息」という性格付けがあって、それが故に活躍するのはどちらかというとルイージなのである。
性格付けからイベントが導き出されるからだ。

一方、マリオには特別な性格付けが感じられない。
ちょっと明るいおっさん、という程度である。
なんでも「マリオ」という名前から、「ラテン系」と「労働者階級」という設定は読み取れるんだそうだが、それ以上のものがマリオにはない。

一体これはどういう事だろう?
マリオこそ任天堂の看板だろうに。
これはちょっと不思議なことであった。

しかしながら、考えてみると、実は逆なのか、と思うに至ったのである。
大切されているから性格付けがないんだな。
元々単純なアクションゲームだったマリオに特別な性格付けは必要なかった。
性格付けがない状態で世界中の人に愛されているんだから、むしろ性格付けはしない方がいいんだろう。
プレイヤーひとりひとりに自分のマリオが既にあるんだから。
ルイージは最近ゲームの中で活躍するようになったんで、性格付けが明確に設定されてるんだろう。
やっぱりマリオはゲーム世界の巨人なんだ。

そういえば、「ソニック」あたりも喋るとなんかイヤだもんな。
アクションから「アドベンチャー」に派生したあたりで、ちょっと安売りしちゃった感じはする。
まあ、私はそんなにソニックに思い入れがあるわけではないけど。



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