パワフルゴルフ

非リアル系なのに刻むゴルフ 2011_04_02

 

ゴルフゲームなんてのは大抵簡単なものである。
打つタイミングを測ること以外ははじめにセットしておけばいいのだから。
基本的にはシミュレーターだから、頭の中での計算が出来ていれば、結果は概ね思いのままだ。
きっちりピンをダイレクトに狙っていける。
大抵のゴルフゲームで−18は当たり前、頑張れば−22ぐらいは行くでしょ、と思って私は初めからプレイしてきた。
しかし、実際のゴルフはそうじゃない。
思い通りには打てないからだ。
思い通りに打てないから、安全策をとって刻むこともあるのである。
そんな本来あるべき姿のゴルフを結果的に再現することに成功したゲームに出会った。
DSで発売された『パワフルゴルフ』がそれである。

この『パワフルゴルフ』、お世辞にもリアル志向のゴルフゲームとは言えない。
パラメーターによる補正がかかったり、必殺技っぽいショットも出てくる。
それでも、安全策をとって刻んでいくスタイルが求められるあたり、むしろいままでのゴルフゲームよりもリアルっぽい側面ももっているのだ。
というのも、このゲームでは思い通りのショットが打てないシステムを採用しているからである。
このゲームでは、打つタイミングと同時に打つポイントを方向キーで調節してやらないといけないのだ。

二つのことを同時にやると、どうしても精度が落ちるし、パワーメーターが戻ってくるまで、という時間的制約もかかってくる。
これはかなり難しいことだな。
ライが悪いとミートポイントが勝手に動いていくし、パワーの変動も大きくなる。
ティーショット以外できっちりしたショットを打つことはほとんど不可能だな。
ほどほどのところで妥協したショットをするしかない。
だから、安全策で刻む必要が出てくるのである。
フェアーウェイをキープしないと、次のショットがより苦しくなってしまう。
こんなに刻んでプレーしたことはいままでになかった。

パワプロの流れを汲んでいるだけあって、サクセス重視の非リアル志向のゴルフゲームだと思っていたから、これは意外感があった。
思い通りに行かない点に好き嫌いはあるかもしれないが、私はなかなか好感触だったな。
目新しい、というか、プレイした感触が新しい。
ハイスコアを目指すゴルフではなく、勝負に勝つゴルフ、ある条件を満たすゴルフをやるんだ、と思ってやれば、これは相当面白いんじゃないか。
今更ゴルフでパワフルシリーズかよ、と思っていたけど、逆にサクセスとの相性もよいシステムになっているんだと感心させられた。


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