狭義のゲームは負荷であると私はいつも書いている。 しかし、負荷だけあればいいのかというと、もちろんそうじゃないだろう。 もし負荷だけでいいのであれば、ゲーム機の画的な出力がどんどん上がっていくことはないはずだ。 単純に負荷を乗り越えるだけよりも面白くなるように創ってあるのが、我々がやっているテレビゲームなのである。 そんな当たり前のことを改めて感じさせてくれるゲームをプレイした。 『Portal』の続編に当たる『Portal2』がそれである。 前作の『1』をやったとき、私は字幕機能があることにラスボスまで気づかなかった。 何か喋っているのだが、ボリューム絞ってるせいもあって、環境音なのかと思っていたのだ。 ルールの説明もなければ、シナリオもなんにもない状態で私はやっていたのである。 あれはシンドかった。 どこからどう見ても褒めるしかないゲームだし、これを出来ないっていうと空間認識能力が劣っていることになってしまうから、止めるわけにもいかない。 最後の方とか新鮮みがなくなって、ホントに仕事してるみたいだったな。 出来る事といえば壁に穴を開けることと物を運ぶことだけだからね。 しかし、『2』は違う。 字幕は最初から出るし、ちゃんと演出がある。 『1』はずっと同じ画面(えづら)だったけど、『2』は画面にも変化があるし、何より相棒みたいなのが出てくる。 相棒みたいなのが喋っててくれると、結構気が紛れるね。 英語だから実際には字幕読んでるんだけど。 この相棒みたいなヤツ、最初はコールドスリープの管理人みたいな感じだったが、最終的にはシナリオにも大きく絡んでくる。 だから、多少なりとも思い入れが出てくるとゲームは楽なった。 楽だったのは、限定がかなり厳しくかけてあったせいもあると思うが。 ステージの把握さえ出来ればクリア出来たも同然だった。 だって、穴を開けられる壁がほとんど必要なところにしかないからね。 新ギミックが3つ4つ加わっても、結局は穴を開けて飛んでくしかないわけで、どこに着地するかイメージ出来れば終わったようなものである。 今回の『2』は娯楽作品をやったって感じがした。 楽しくて、達成感もある。 『1』の時とは大違いだ。 やっぱりゲームには演出が必要だし、思い入れも必要だよ。 プレイヤーを喜ばせるために、手間暇かけてもらわないとね。 『1』がおまけ的な位置づけで、『2』は独立したパッケージであることを考慮すれば、あるべき姿に収まっているとも言えそうだけど。 |