対戦格闘ゲームは今どき流行らない。 一対一での戦いはどうしたって力の差が出ちゃうからな。 勝つことに価値を置いてしまうと、勝てない人は脱落していくに決まってる。 だから、プレイヤーが勝つことに価値を置かないように仕向けたい、と格闘ゲームの創り手側は思うだろう。 当然だ。 しかし、どう思うかはプレイヤー側の問題だから、仕向けるにしても限界があるだろうな。 『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』に登場するサポートのお姉さんは逆効果だった。 私ぐらいのポケモン大好きっ子ともなると、当然『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』もプレイしなくちゃならないわけである。 このゲームは、対戦格闘ものとしては初心者向けに創られていて、三すくみシステムの導入よって反射神経の差なんかは割と吸収してくれる。 適当にポケモンを操作する分には楽しかった。 とはいうものの、やっぱり格闘ゲームは格闘ゲームである。 理解の差は簡単には埋まらない。 特定の技に対する対処方法とか、浮かしたときの対処法とか、覚えることは山のようにあって、生半可な努力ではものにできないのだ。 それもやってみなければ分からないことなので、私はピカチュウでネット対戦を100試合はやろうと決めた。 結果、25勝75敗でした。 浅い時間はともかく、深夜帯は全然勝てなかったな。 たぶん上手い人が多いんだろう。 連敗してるとホントに頭にくる。 勝てないのをマッチングの所為にしたくなったよ。 その時に酷く気になったのが、サポートのお姉さんの声。 この人がやたらと、「あー面白かった」とか「まずは楽しむことが大事」とか言いよるねん。 その声を聞くと腹が立って仕方なかった。 20連敗したときは、もう殺意が芽生えた。 この声を消そうと私は試みた。 しかし、サポート音声をカットしても、試合後の感想は止めてくれない。 サポート音声はあってもイイんだ。 消して欲しいのは感想の方だよ。 最終的には音声ボリュームをゼロにした。 幸いにして、ポケモンの声は効果音扱いらしく、特に問題はなかった。 おそらく創り手としては、プレイヤーに勝つことだけを目的にして欲しくなかったんだろう。 それは分かるよ。 でも、自分のプレイをどう感じるかはプレイヤー次第だからな。 感想を押しつけられても、どうにもならんよ。 むしろ逆効果。 勝つこと以外に価値を見いだせるように、ゲームの中身で仕向けていかないとね。 それは簡単なことじゃないから、対戦格闘ゲームは衰退してきたんだろうけど。 |