ゲームは新しい表現を手に入れた

ゲームは新しい表現を手に入れた '99_05_08

    

秋葉原を歩いていると、「ポケモンスナップ」が安売りされているのが目に付く。
3月に売り出された64のゲームにしては値崩れが早い。
私は2年前の「ヨッシーストーリー」の事を思いだしていた。
過剰に期待されて大量に出荷された結果だったと思う。
今回はポケモンパワーを過信しすぎたのだろうか?
あるいはゼルダブーム後、めぼしい物がないだけに売れると判断したのだろうか?
何となく可哀想になって買ってみることにした。

私は「ヨッシーストーリー」の様な、『まあまあ』のゲームを予想していた。
オープニングに「HAL」という表示が出るところからして、外注っぽい雰囲気もあるし。

しかし、予想は覆された。
この6日間ほど、私はこのゲームに魅せられていた。
そして、あっという間に全ての課題をクリアしてしまったのだ。
とにかく楽しかったとしか言いようがない。
ポケモンのことは良く知らないが、このキャラクターの躍動感は感動モノだ。

このゲームについて語ることはたくさんあると思う。
でも、私はその中で、ある3D表現についてだけ書きたい。

『プリン』というキャラクターがいる。
『星のカービー』に出てくるカービーが、空中をぷかぷか浮いている所をイメージしていただければ概ね良いような気もする。
このキャラクターが画面奥から手前に近づいてくるとき、膨らんだり縮んだりしているのを見て、ものすごく感動した。
確かにそこに『プリン』というキャラクターが生きていると感じたからだ。
もちろんそこには表情の演出もあるんだけど、多くの3Dゲームが面を動かしているという印象であるのに対して、ボリューム(体積)が動いているという印象なのだ。
果たしてこんな説明で伝わるだろうか?

それに気づいてから改めてキャラクターを見てみると、それまで感じていた躍動感の源もそこにあるように思えた。
モーションキャプチャーのようなリアリティではない。
それは虚構だけれど、確かに存在すると感じられるものだ。
ゲームはまた新しい表現を手に入れた。(「ソニックファイターズ」の様に既に用いられている例は、探せばあるだろうけど)

かつて『ゲームが変わる、64が変える』というフレーズを聴いたとき、片腹痛いわ!と思った。
しかし、3Dスティックに触れたとき、自分の知らないところでゲームが変わっているのを知った。
そしてゲームは今も進化し続けている。
ゲーム万歳!!


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