捨てる楽しさと苦しさ

捨てる楽しさと苦しさ 2006_07_07

 

私は『ニュー・スーパーマリオブラザーズ』に腹を立てていた。
自分が買ってはいけない人間であることを知りつつ買ったのがいけないのだが、腹が立つという感情はそんな理屈抜きなのである。
どうにも腹の虫が治まらないので、『ニュー・スーパーマリオブラザーズ』を売り飛ばしてやることにした。
今の世の中、通信買取などという凄いシステムがあるのである。
これ一本だけ送っても怒りは収まりそうもなかったので、ついでに遊ばなくなった任天堂のゲームを大量に送りつけてやった。
ああ、スッキリ。
私は溜飲を下げたのである。

ところで、通信買取のためにゲームを箱詰めしているうちに、私はあることに気がついた。
楽しい。
ゲームのパッケージを見ながら、「ええい、これも入れちゃえ!」ってやってたら、凄く楽しかった。
以前引っ越すときに、PCーFXを捨てたら気分がすっきりしたけど、遊びもしないゲームを後生大事に持っているより処分した方が気持ちいい。
ひょっとしたら後で遊びたくなるかもしれん、という思いを断ち切ることが自分を解放するのだ。
大体からして、私は次から次へと新しいゲームをプレイするゲーマーなんだから、古いゲームを持っていることがおかしいとも言えるな。

あまりに気持ちいいので、次に私はXBOXを始末した。
どうせもう遊びゃしない。
持ってても押し入れの肥やしになるだけだ。

ついでに、ブラウン管のテレビもリサイクル業者にあげちゃった。
いずれは地デジに買い換えなきゃいけないんだし。
当面は、パソコン用の液晶モニタにチューナー付ければ良いんだよ。

そういえば、Wiiが発売されたらGCは必要なくなるな。
完全互換なんだから。
今後発売されるGCソフトのスケジュール次第では始末してもいいんじゃないか。
これもなかなか愉快な感じである。

と、ここまで来て、私はあることに気がついてしまった。
押し入れの中にSSの本体とそのゲームが大量にある。
さらには、MDやMCDもあるじゃないか。
昔のゲーム機は箱がデカイから、限りある押し入れのかなりの部分をこれらが塞いでいるのだ。
私が自分の信念に忠実であるならば、これらも捨てるべきである。

しかし、これを捨ててしまって、果たして自分はこれからもゲームをプレイし続けられるだろうか?
私には些か自信がない。
なにやら闘う理由まで捨ててしまうような気がするのである。
これを捨ててなお闘い続けられたら自分も本物かな、とも思うのだが。
これは苦しい選択だけど、捨てて見せたいものだな。


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