前もって頭を整理する

前もって頭を整理する '99_04_03



とうとうプロ野球が開幕した。
昨年はどうあれ、誰の上にも春は訪れる。
今が一番幸せなときかもしれない。

さて、プロ野球の開幕にあわせるように、「実況パワフルプロ野球6」が発売された。
私はこのゲームが好きだ。
このゲーム作った人達が、野球を好きだと信じられるから好きだ。
リセットボタンを押したときに現れる、「やきゅうしようよ」というメッセージと共に駆けていく犬と少年の姿を、毎年楽しみにしている。

SFCで初めてプレイしたとき、同じく初めてだった友人にパーフェクトゲームをくらった。
お互いまともに操作できないのにパーフェクトをくらったというのは、バットにボールがほとんど当たらなかったからだ。
確か20三振を越えたように記憶している。
それまでの野球ゲームと比べて、絶望的なまでに難しいと感じた。
それを乗り越えることが出来たのは、悔しかったからかもしれない。
でも今は違う。
ただ好きなんだ。

もっとも、昨年発売された「5」を遊ばなくなって、かなり経っていた。
久々にやると、まるで打てなくなっている自分に気づかされる。
なかなか感覚が戻ってこない。
いったい今までどうやって打っていたんだろう?
いろいろと思い返してみて、やはり打つ前に頭の中を整理しなくてはダメだという結論に達した。

まず、直球と変化球に分けてみる。
高速スライダーであっても、ごく一部の投手を除けば、やはり手からボールが放れた瞬間に見切れる。

更に変化球を、カーブ・チェンジアップ(+スローボール)といった遅い系と、スライダー・シュート・シンカー・フォークといった速い系に分けてみる。
これも何とか見切れる。

ここから先は、軌道で判断しなければならない。
これはすごく難しい。
見切ることに一生懸命になるより、むしろ山を張った方がいい。
例えば、阪神の川尻なんかの場合は、スライダー・カーブ・チェンジアップ・シンカーと球種が多いので、直球・シンカー・チェンジアップの三つに山を張ってみる、ということ。
肝心なことは、これを前もって頭の中で整理しておくことだ。
考えておかないと、ボールが来てから焦ってしまう。

こうして考えてみたことを実践に移してみると、なるほど打てるようになった。
良かった。
実をいえば、打てないとき、自分の中にある「このゲームが好きだ」という気持ちが薄らいでいたのを感じていた。
だが、こうして努力して、壁を乗り越えて、またいっそうこのゲームを好きになれたような気がする。

ひょっとすると、また打てなくなるかもしれない。
そしたら、また考えてみたい。
乗り越えてみたい。
そうしたら、きっとこの「パワプロ」をいっそう好きになれるだろう。
野球が好きな「パワプロ」を作った人達を信じられるだろう。
そして、もっと野球が好きになれるだろう。


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