「石山貴也」なんて名前、初耳なんだけど。 有名なのか? どうやら「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズを創っていた人らしいのだが、誰が創っているのか気になるほど面白かった記憶はないな。 私はこれから『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』について書こうとしている。 細かいことは書かないつもりだけど、プレイする前には読まない方がいいでしょう。 ここ数年でこれほど面白かったアドベンチャーゲームは記憶ないので。 このゲームをどう表現すればいいのか。 近視的には、甦りの秘術を求める人たちの呪い合戦ということになるのか。 秘術を使うために、他の呪い主を呪い殺してエネルギーみたいなものを貯めていく。 もっとも、それを防ごうとする人たちもいて、最終的にはなぜそんなことになったのか、物語の全貌を解き明かしていくのである。 システム的には『428』に近いのかな。 複数の主人公を時系列に沿って並列に進めていくのだが、お話が全部つながっているから、『街』よりは『428』に近いだろう。 このゲームを最初に巧いと感じたのは、いきなり呪い対決をさせるところだな。 物語がよくわからないうちに、まず戦わせる。 呪いには発動条件があるのだが、相手の発動条件は分からない。 いきなり緊張状態に放り込まれる感じだった。 ホントはプレイヤーに選択権はないんだけど、あたかも自分の意志で殺したかのような気にさせられるところも巧い。 もうこの物語から逃げられない、と覚悟させられたな。 プレイを進めていくと、キャラクターにも惹きつけられた。 とにかく魅力的なんだ。 深刻な事態なのに、まるでコントみたいに面白いことを言うの、どいつもこいつも。 ほとんどのキャラが二人で行動するのは、会話でキャラを立たせるためなのかな。 このライターさんは相当テクニシャンだと思うね、私は。 完全に虜になった。 選択肢を総当たりするだけでは解けないところも評価できる。 物語を理解してないと答えられない問いかけもあり、背景に見つけるべきフラグもある。 場所ごとに360度見渡せるようになっているのだが、これがホラーと相性がいい。 見えない部分があるということがゲームの構成要素になってるんだな。 ちゃんとゲームした気になるよ。 呪いという超常現象を扱っているにもかかわらず、登場人物はみんな合理的に動いているところもよかった。 終盤少し気になるところはあったが、概ね私は納得している。 最後の最後で、そういうことだったか、と分かるのだが、特に文句もなくすんなり終わりを受け入れられたな。 掛け値なしで面白かった。 まさか、こんな作品に出会えるとは思ってなかったな。 遊びたいゲームがないので久しぶりにSTEAMを見に行ったら、お勧めに出てきたのが『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』だったのである。 全然知らなかった、この作品も、脚本とディレクターを兼務している「石山貴也」も。 話題になってたっけ? リリース日は3月9日だそうだけど、まったく記憶にない。 私が悪いのか、世間が悪いのか分からないが。 いずれにしても、これは見逃さなくてよかった。 次は最初から見逃さないよ。 <余談> 携帯モードがあるから、と思ってNS版を買ったのだが、小さすぎて全然見えなかった。 android版を買えばよかった。 12インチのタブレット持ってるんだから。 あと、マダムがエロ過ぎる・・・。 |