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テレビゲームは何らかの方法で、他のゲームよりも負荷を乗り越えた時の喜びを大きくするからこそ、娯楽として選ばれるのである。 その為に共感を呼ぶキャラだったり、ストーリーだったり、が必要になるわけだ。 せっかくゲームが素晴らしいんだから、もうちょっと何とかしろよ、と思うゲームに出会った。 Netflix版の『ペーパートレイル』のことである。 他に目ぼしいものがないからちょっとやってみたら、素晴らしいゲームだった。 しかし、とても残念なゲームでもあった。 このゲームはストーリーを追っていく形式のパズルゲームである。 マップの裏にもマップになりうる絵が描かれていて、折り返してマップをつなげることで進路を作ったり、スイッチを入れたりするのだ。 とても斬新。 ゲーム自体は凄く面白いと思った。 ボリュームもそれなりにある。 しかし、エンディングを迎えた時、全然嬉しくなかった。 あまりにも適当過ぎるのだ、ストーリーや登場人物が。 主人公である少女は、親の反対を押し切って大学に進学するために夜陰に紛れてこっそり家を出る。 ところが、大学までの道のりが険しすぎるのだ。 いったいどんな秘境に住んでんだ?って感じ。 道中で多少NPCに遭遇するのだが、こいつらの設定も適当。 ステージごとに存在すると思われるストーリーも適当。 当然そこから得られる喜びはあんまり大きくない。 見た目に凝ってないから、適当さ加減が味と言えば味なのかもしれないが、いくらなんでもパンツ泥棒はないだろ、と私は思ったな。 主人公自身に関するエピソードは悪くなかったが。 キャラの設定やストーリーを考えるのに、そんなに開発費はかからないだろうと私は思うんだけどね。 もうちょっと頑張れよ。 たまたま創った人と私のセンスが合わないだけかもしれないけど。 もうちょい価値付けの方法に工夫があれば、もっと面白かったのに、と思う作品だった。 |