デイヴ・ザ・ダイバー、PS5版_2

時代で作り方も変わる 2024_05_29



ゲームは最初が大事。
テレビゲームはほぼすべてが人為的取り決めで出来ており、その都度覚える必要があるからである。
覚える時点では何も喜びを得ることはできない。
負荷はかかるが喜びは得られない時間が長く続けば、プレイヤーは止めてしまう可能性が高いはず。
だから、どの程度のペースで新しい要素を提供するか、を創り手はよくよく考えなければならない。
従来であれば、特定のプレイヤーを想定して、そのプレイヤーにちょうどいいペースで情報を出していくのが通常の手法であったと思われる。
そして、そこにこそ創り手のセンスが出る、と。
しかし、もうそういう時代じゃなくなったのかな?と思う経験をした。

それは『デイヴ・ザ・ダイバー』の序盤のこと。
あまりにも立て続けに新しい要素が登場するので、私が処理しきれなくなった。
歳のせいもあるのかな。
完全にキャパオーバーだったのである。
そんなに連続でチュートリアルが必要なイベントを起こすなよ、と思った。
しかしながら、やってみるとそんなに問題はなかった。
このゲームには制限時間がないからである。

一見、急いでいるように見えるイベントでも、実際にはいつやってもイイのだ。
制限があるのはパーティーの開催日だけなのだが、これはお金を稼ぎやすいというだけで、準備に失敗しても大した問題はない。
終盤に至るまで、ほぼずっと何かしらの新しい要素をどんどん放り込まれたが、特にそれでプレイに支障が出ることはなかったのである。

今どきはこういう作りの方が好まれるのかな。
タイパタイパって煩いからね。
せっかちな人や処理能力の高い人のために飽和気味に情報を出していくけど、処理に時間がかかっても影響は出ない、というような作りの方がいいのかも。
私の経験で言っても、やることが無いよりはあった方がいい。
『デイヴ・ザ・ダイバー』の素晴らしさはその辺にあるのかもしれないな。
エンドロールまではめちゃめちゃ面白かったが、新しい要素が出てこなくなると、途端にやる気がなくなったからね。


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