私は音楽というものがまるで分からない。 分からないというのはいろんな意味で分からないのだが、リズム一つとっても分からない。 音楽に周期があるのは分かる。 しかし、周期の始点は何をもって決定されるのか? どこが始点になろうとも周期は変わらないから、どこからスタートしてもいいのではないか? 極めて不思議なことに、私は始点の決定方法を知らないにもかかわらず現実にはリズムが取れている。 どうも何かを理由にして始点を決めているらしいのだが、それを言葉で私は説明することが出来ないのである。 このことに私が気付いたのは、『アイドルマスター』をやっているときのことだった。 『アイドルマスター』では審査員にアピールするのにボタン押しを使う。 ところが、正解のタイミングがよく分からない。 仕方ないから、足でリズムを取って足が地面につくタイミングに合わせてボタンを押すようにしたら、ナイスアピールが取れるようになった。 どういうわけか分からないが、私はリズムが取れているのである。 リズムを取る、ということをゲームとして使うと一つ素晴らしい効果がある。 画面の特定の部分を見なくてもいいのだ。 その分、他のところに目をやることが出来る。 『アイドルマスター』では審査員のご機嫌をチェックしたり、ライバルのスコアをチェックしたり、もちろんキャラを見たり、視点をあちこち動かしてもいいのである。 なんで今頃『アイドルマスター』の話を書いているのかというと、最近私が『アイドルマスター ライブフォーユー』を入手したからである。 どうも評判が極めて悪いらしく、早速値崩れしていた。 半額までくれば、話のネタに買ってもいいかなと思ったのだ。 で、プレイ開始早々、私は大変な問題に気がついた。 『ライブフォーユー』ではタイミングバーみたいなのを見ながら6つのボタンを押し分けていくのだが、これず〜っとタイミングバーを見つめてなきゃいかんよな。 キャラが踊っているところ、見ている暇は全くない。 プレイ開始前に衣装やアクセサリーを選ぶんだけど、選んでも全く意味ないじゃん。 見れないんだから。 このゲームの目的は一体何なのか? なんのためにプレイするのか? まるで意味が分からない。 プレイヤーは踊ってるところ見たいんじゃないの? そりゃ何万ゲイツ貢いでも怒らなかったファンも怒るだろうよ。 いまにして思えば、『アイドルマスター』は案外よく出来ていたのかもしれないな。 |