『バディミッション BOND』には騙された。 いや、ゲームに騙されたわけじゃなく、ポジキャンに騙された。 もっとも、ポジキャンする人に大抵悪気はないんだ。 自分は正しいと思ってやってるはず。 実際ゲームは楽しんだもん勝ちなわけだし。 しかし、この内容で褒めちぎるのは無理があるだろ!と私は思うのである。 組織的なポジキャンじゃないか、と私は疑っていた、プレイしているときは。 思い直したのは、謎解きがあるのに謎を解かせない、という不思議なこのゲームの特徴について、ある事に気付いたからである。 狭義の意味で言えば、このゲームは潜入する部分がその大半を占めている。 敵を捕まえたり、人質を救出するために、敵のアジトに潜入するところが最大のゲームなのである。 どういうわけかその途中がオリエンテーションのようになっており、謎解きが設置されているのだ。 しかし、プレイヤーにはその謎を解かせない。 謎を解くのではなく、謎を解くための情報を集めるさせるのである。 情報を集めさえすれば、もう謎は九割方解けたも同然。 これはおそらく、謎を解かせたくないのだろう、創り手が。 つまりこのゲームのターゲットは謎を解きたいと思っていない層、あるいは謎を解く習慣がないような層を狙っていると見るべきだ。 謎を解く負荷がターゲットに対して大きすぎるから、情報を持っている人を探すことに置き換えたんだよ。 情報持っている人捜しも、まあまあ簡単。(初見で効率的に回るのは簡単じゃないが) 場所ごとに説明文が書いてあって、味方の4人のうち誰を派遣したら情報が得られるのか、比較的分かりやすくなっている。 キャラの特徴を思い浮かべれば、8割ぐらいは一発で正解に辿り着くことが出来るのだ。 ここで私は気付いた。 この構成、知ってる!って。 これ、ギャルゲーじゃん。 負荷を乗り越えるときにキャラをイメージさせるってのが常套手段なんだよ、ギャルゲーの。 負荷自体は大きくなくてもイイ。 負荷を乗り越えさせることよりもキャラクターへの思い入れを深めさせることの方が大事なの。 ターゲットが男性じゃないならギャルゲーじゃなくて、あんまり使いたくないけど乙女ゲーってやつなのかな。 あくまでイメージだけど、乙女ゲーが好きな層と謎解きが好きな層はあんまり被ってなさそうな気はする。 だから、創り手としては狙い通りなんでしょ、これで。 体験版のリリースによって、アレルギーの出そうな人が軒並み避けた結果、好意的な評価が集まった、ということかもしれない。 思えば、このゲームの構成はやけにペアに拘ってた。 常に二人なの。 タイトルに「バディミッション」って書いているぐらいだし、なんなら「BOND」だってくっつくイメージのある言葉でしょ。 明らかにカップリングを意識してるじゃん。 女子の中でも腐ってる方々はカップリングを妄想するのが大好物らしいからね。 実際に腐女子に会ったことはないから、あくまで伝聞情報だけど。 こうなったら仕方がないよ。 私がこのゲームを楽しめなかった、としてもね。 私の大好きなギャルゲーを女子が気持ち悪いと思っているだろう、と私だって思ってるんだから。 こっちだって気持ち悪いと思うわさ。 |