パンツァードラグーン オルタ

魅せる 2003_02_24〜26

 

「セガなんか潰れちまえばいいんだよ!」
なんて思い始めていた。
かわいさ余って憎さ百倍なのである。
ところが、本当に潰れそうだという話を聞くと、なんだか可哀想な気もしてくる。
いかに人材の流動が激しいゲーム業界とはいえ、私達がセガに心ときめかせた時期から勤めている人だって少なくないだろう。
あまりに悲惨な末路も見たくない。

そんな私がこのところプレイしていたのは『パンツァードラグーン オルタ』。
セガのゲームで遊ぶのも久しぶりのことになる。
もっとも、私がこのゲームをプレイし始めたのは、サミーとの合併話が持ち上がる前のことであり、特別関係があるわけではない。
ただ、最近セガ製のゲームで遊んでないなあ、と懐かしさに駆られただけの話である。
XBOXで発売されたこともあり、私は全くノーマークだったのだが、『パンツァードラグーン オルタ』はなかなかの好評価を得た作品だったようだ。

『パンツァードラグーン オルタ』をプレイして私は、こりゃ面白いわ!と思った。
このゲームはシューティングゲームという名前が付いているが、どうもそうではなく、謎解きゲームみたいなものなのである。
ここで敵が迫ってきたらダッシュで回避するとか、ボスが腕を振り回してきたら回り込んで逃げる、とかいったように、解法を探すゲームなんだと感じた。
ただ解法にはベターなものからベストなものへと突き詰める余地がある。
敵のパターンを把握して攻撃が緩いときには強形態でアタックしクリアタイムを縮めていくとか、あるいは耐久力のない敵を耐久力のある敵と絡めてロックオンし得点を稼ぐとかね。(ロックオン数に応じて得点に倍率がかかる)
やり甲斐もあるわけだ。

それに映像が美しい。
映像が美しいってプレイヤーをゲームへと導入する力になる。
特にゲーム機の立ち上げの時期には有意義な作品だなあ、と感じながらプレイを進めてきた。
XBOXは非常にグッドなタイトルを手に入れていたのだ。

しかし、私はこのゲームについてちょっとアレな話も書かなければならない。
このゲームは突き詰める余地を残しながらも、突き詰めるゲームとして創られてはいないのだ。
そのことを少しだけ説明したい。

私はノーマルで一回クリア、ハードで一回クリアしてから、さらにノーマルに戻ってすべてのパラメータをAランク以上でクリアするという目標を立ててプレイしてきた。
このゲームには、各面ごとに「撃墜率」「スコア」「ダメージを受けた回数」「ボスクリアタイム」という4つのパラメータがあり、それぞれに、S、A〜Dというランクがついているのだ。
で、オールA以上でクリアして私が不思議に思ったのは、すべてのパラメータをSランクにしたい!という欲求が全く起こらなかったこと。
普通ゲームってのは理解度が上がってくるとドンドン面白くなっていくのだが、このゲームにはそういうものがない。

原因の一つには、避ける面白さがないことがあげられる。
コリジョン(あたり判定の範囲)が判りづらく、大きく適当にレバーを動かすしかないのだ。
これはなにも『パンツァードラグーン オルタ』限った事じゃなくて、3Dシューティングゲームでは往々にしてあることではある。

だが、それだけじゃなくて、私が思うに、このゲームにははじめからやり込ませようという意図がないんじゃないか。
15秒、30秒の単位で何もプレイしていない時間がいっぱいあるのだ。
イヤでもストーリーを見させられる。
しかもそれをスキップできない。
また、プレイヤーが上達して敵を全滅させても、空いた時間で何かさせようとか、ショートカットしようとかいう努力は全くされていない。
やり込ませるつもりだったら、これは考えられないよな、と私は感じている。

おそらくこの『パンツァードラグーン オルタ』という作品は「魅せる」ゲームなんだよね。
「おおっ!」って思わせる。
で、「すげー!面白いじゃん!」と思ってもらえれば、それ以上は求めません、っていう感じ。
たぶんSSの『パンツァードラグーン』の頃からそうだったんじゃないかな。
あの当時は気づかなかったんだけど。
3Dシューティングってそういう作りが向いている。



<余談>
続編モノって、前作のキャラ(の話)が出てくるとなぜか嬉しいよね。
あー、あいつの子供なの?って。
どうってことないといえば、どうってことないんだけど。



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