ペーパーマリオ オリガミキング

誤魔化すのが下手 2020_08_16



狭義のゲームは負荷である。
何らかの負荷を乗り越えさせなければ広義の意味でもゲームとは言えない。
しかし、負荷が大きすぎると乗り越えられない人も出てくるので、そこは工夫が必要になってくる。
思考に掛かる負荷を時間に掛かる負荷に置き換えるとか、大した負荷ではないことを大きな負荷に錯覚させるとかね。
そういう誤魔化しの技術も、娯楽としてのテレビゲームには必要なはずである。

これから『ペーパーマリオ オリガミキング』の話を書くのだが、実はあんまり書きたくはない。
自分に能力がないという話になってしまうから。
恥を忍んで書くんですよ。

このゲーム、戦闘シーンにパズルが組み込まれている。
敵を上手く並べると攻撃力がアップするように設計されているのだ。
上手く並べられないと戦闘が長引いて、ウンザリしてしまうので、パズルが出来るかどうかでかなり感触が違ってくるだろう。
タチが悪いことに、時間制限が入っているので、じっくり考えることは出来ない。
一見して、これはおそらく評判が悪いだろう、と思った。
世の中には空間把握能力が全くない人って意外と存在するんだよね。

お金を使えばキノピオ達の助けを借りられるので、実は難易度としてはそれほど難しいわけではない。
しかし、その度に出来ない人は出来ないことを実感させられるので、娯楽としてはあんまりいい負荷のかけ方ではない気がするね。
私も何回か情けない思いをした、それもなんでもない雑魚戦で。
しかも、雑魚戦をクリアしたところで貰えるのはお金だけなので、お金を使ってお金をもらうという無意味な行為になってしまう。
これだと雑魚戦はイヤな思いをするだけで何のメリットもないことになるな。

おそらく任天堂のスタンスとして、ある程度の負荷は必要だと考えているのだろう。
そうでなけりゃ、ゲームですらないと。
それにしたって、もう少し誤魔化しようはあるだろ。
あまりにも下手すぎる。
誤魔化しの技術はスクウェアなんかの方が上手いよね。

実を言うと、中盤ぐらいから凄く面白かった、このゲーム。
「マリオ&ルイージRPG」のイメージでプレイし始めたんだけど、途中で間違っていることに気付いた。
どっちかというと、ゼルダに近いアドベンチャーゲームなんだな。
ストーリーを追っていきつつ謎解きをするゲームだと思えば十分楽しめた。
今回の語り部であるオリビアは大好きなキャラだし、演出も凝っている。
文句を言うとすれば、戦闘部分のパズルなのかな。
ボス戦はそれほど気にならないが、雑魚戦が問題。
ソフト日照りの現状からするに、『オリガミキング』はかなり広い層に受け入れてもらう必要があったはず。
任天堂にはもうちょい誤魔化しの技術を磨いてもらいたいものである。


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