いわゆる自称ヘビーゲーマー向けのゲームには複雑なシステムが採用されているものである。 慣れちゃってる連中にとっては、ある程度複雑じゃないと目新しく感じないから仕方ない部分もあるんだろう。 しかし、ゲームを構成する要素が増えると一要素あたりの効果が小さくなり、かける手間に対して得られる効果が相対的に小さくなってしまう。 だから、複雑になると実は損するんじゃないか、と私は思うのである。 以前そういう話を書いたはずなのだが、『ゼノブレイド』はまさしくそれに当てはまりそうなゲームだった。 プレイタイムの20%ぐらいはシステム画面を開いていたような気がする。 でも、そんなにイヤじゃなかった。 どうしてイヤじゃなかったのか、ということについて少し書いておきたい。 とにかくメンド臭いゲームだった、『ゼノブレイド』は。 やたらめったら装備の種類がたくさん出てくるのだが、どれもこれも凄く微妙。 突出した装備は手に入らず、必ず物理かエーテル(魔法)かどっちかが良いとどっちかが悪い。 おまけに装備にはスロットが付いているものと、付いていないもの、付いているが固定なものがあって、組み合わせるといいのか悪いのか一見では分からない。 パラメーターの差分を表示してくれないから、検討するのも一苦労である。 更に面倒なことには、スロットに填めるジェムは拾ってきたエーテルを自分で合成しなければならない。 ジェムは売ってないんだよ。 このメンド臭さ、国内200万本売るつもりのゲームではないよね。 しかしながら、私は結構こまめに装備の付け外しをやっている自分に気づいた。 装備を見直したくなるんだ。 というのもよく死ぬから。 戦闘がシームレスなので想定外の敵を巻き込んでしまうことが多く、経験値稼ぎするつもりでもよく死んじゃう。 死んでもほとんどペナルティなしだから、死ぬことを想定したゲームデザインなのである。 でも死ぬと、自分の装備に問題あるのかな?って思うじゃない。 死ぬことが装備を見直す契機になるんだよね。 実際には装備が原因じゃなくて、想定外の敵を巻き込んだことが原因なんだから、次やると大抵は勝つ。 そうすると装備を見直したことが勝利につながったような気がして、装備の付け替えが苦にならなくなってくるんじゃないか。 多くのジャパニーズRPGでは、複雑なシステムが取り入れられていても、エンディングをみるだけなら使わないで済むようにバランス取りしてあるものである。 システムを使いこなしちゃうと強くなりすぎるから、ボス戦のあとにもっと強い隠しボスを入れておくのがデフォルトになっている感すらあるでしょ。 創り手の方でもプレイヤーにシステムを使いこなして欲しいのか、欲しくないのか、よくわからない状態になっているんじゃないか。 複雑なシステムを使って欲しかったら、やっぱりそれが必要になるように創らないといけないよな。 『ゼノブレイド』の場合は、よく死ぬように創ってあることが上手く作用したように私には思える。 |