必要なことを必要なときに必要なだけ教える。 これが今どきのゲームのスタンダードだと私は思っている。 プレイヤーはマニュアルなど読んでくれないし、ゲームを面白いと感じる前にあれやこれや教えても敬遠されてしまうだけだ。 だから、新しい要素に直面したときに必要な分だけ教えるスタイルが定着した。 でも、これには問題もある。 だってこれから起こることを直前に教えているわけだからね。 やらされてる感は満載である。 また、それが謎解き要素の場合、答えを教えているようなもんだ。 創り手はもう一歩先へ進まなければならないように私は感じている。 『The Wonderful 101』の印象はプレイし始めた当初、とんでもなく悪かった。 とにかく取っつきにくいゲームだったな。 見づらいし、何を求められているのかピンとこないことが多かった。 ストーリーも好きじゃないし、ホントに止めようと何度思ったことか。 でも、ゲームはユニークなんだよね。 一応最後までやっておかないとマズイだろうという使命感だけで何とかプレイを続けた。 あ、なるほどそういうことか、と思ったのは、大きなユナイトモーフを描いて早く敵を倒したときのことだった。 大きなダメージを与えられるキャラに切り替えるだけじゃなく、出来るだけ大きなユナイトモーフを描いて効率よくプレイしないとダメなんだ。 時間がかかると、その分より多く敵に攻撃される。 攻撃をくらうと飛び散った仲間を集めなきゃいけないから、余計に時間がかかった。 ちょうど集まった頃にまた攻撃されたりすると、ホントにイライラするな。 このゲームは、下手であればあるほど面白くないし、上手くなればなるほど面白いのである。 極めて振れ幅の大きいゲームだった。 しかし、である。 誰でも最初は下手だよね。 私は体験版をやってないけど、最初の部分をそのままやらせたら、普通面白くないだろって思うんだ。 体験版を用意しても逆効果だ。 そりゃ売れないよ。 いろいろ説明やら心配りやらが足りないことは別にしても、面白くなるように導いてやらないと今どきはダメなのかな、と私は思う。 スコアやメダルでは平均的なプレイヤーの心を奮い立たせることは、もはや出来ないだろう。 一方で、あんまり先に説明したくない、という創り手の気持ちも分かる。 あくまでプレイするのはプレイヤー自身だ、という体裁を守りたい気分もあるだろうし。 創り手にも葛藤はあったんじゃないかな。 この問題に対する答えをたまたま別のゲームで見つけた。 まさかお馬さんにそれを教えて貰うことになるとは思わなかった。 つづく。 <余談> 初めてユナイトモーフで○を描くとき、上手くいかなくて困った。 入力を間違えていたのである。 アナログスティックの入力は変化量に対応しているので、ニュートラルの位置から描き始めなければならないのに、いったんキーを下へ入れてから円を描くつもりで入力していた。 たぶん同じ間違いをする人が多いんじゃないかな? プレイヤーがこういう間違いをすることは容易に想像できると思うのだが、ゲーム画面では全く説明がなかった。 外部開発とはいえ、任天堂が発売しているのに、この程度のフォローが出来ないのは腑に落ちないな。 任天堂の監修能力が落ちているのか、有名クリエイターに遠慮したのか。 |