プレイヤーにはそれぞれゲームの原風景とでもいうものがある。 年配の方なら尚更そうだろう。 私にとってそれは、8ビットパソコンで流行っていたアドベンチャーゲームだった。 最近、わざとファミコン風の荒いドットで描いたゲームをよく見かけるけど、私なんかはああいうのを見ても、全然懐かしくない。 むしろあざとい感じがして嫌いだな。 PS世代で育った人がFF7辺りに懐かしさを感じるのもよくわからない。 異なる原風景を持つ者の感慨は全く違ったものなのだろう。 そんな私がグッと惹き付けられるゲームがこの度発売された。 『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』がそれである。 これは私にとって懐かしい匂いのするゲームだった。 これは謎解きに特化したゲームだった。 一問一問独立した謎解きを行う。 ただ解き方がすごくて、使いたいアイテムを自分で生み出せるのである。 それこそ何でも出てくる、入力した名称のアイテムが。 アイテムには一定の法則があり、謎解きには色んな解法が考えられる。 これはなかなかすごいな。 人によってクリアする方法は全然違うだろう。 なんのアイテムを出したら解決出来るかな?って考えるところが、昔のコマンド入力型のアドベンチャーゲームみたいで懐かしい感じだった。 昔は、画面上にある物を使ってどうするか?って考えたんだけど、これは、どうするかは大体分かった状態で何を使うか?、を考えるんだからちょっと違うが。 ストーリーが全くないのも昔っぽい。 昔だって一応ストーリーはあったんだけど、謎解きは独立してるものが多かったからね。 これだけ沢山のアイテムを出すってすごいことだな。 プレイヤーの思いつく単語と創り手の思いつく単語が合わない、とか言ってたのが嘘みたい。 いまって、これだけの労力をつぎ込めるんだね。 プレイヤーが思いつく単語を全部フォローするって、昔はちょっと考えられなかった。 絵は適当だけど、まあ、それもしょうがないと思える。 もの凄い作業量だろうし。 問題数も非常に多い。 よく定価3980円で出せたな。 大して売れてないみたいだけど、大丈夫なんだろうか。 結構手間がかかりそうなので、私だったらストーリーと絡める形でフルプライスの作品にしてしまいそうだけど。 3980円で初週一万本も売れてないとか、可哀想すぎる。 このシステムを使い回して、別の作品でも創ったらいいんじゃないか。 私はやりたいな。 売れてないところを見ると、琴線に触れる人は少ないのかもしれないが。 <後日談 2011_02_09> Wikipediaを見たら、欧米で100万本以上売れた『Scribblenauts』のローカライズ版だって書いてあった。 そりゃそうだ。 国内向けだけにこれだけのものは作れないわな。 |