これは良くできたゲームだな、と感じつつも、認めたくないと思うことがある。 『ペーパーマリオRPG』をプレイしていて、何となく認めたくない感覚に私は陥っていた。 これを認めてやれないようでは、私もそろそろゲーマーとして終わりかもしれんな、と暗澹とした気持ちでプレイを進めてきた。 そんな私を救ってくれたのがビビアンちゃんだったのである。 彼女のおかけで、『ペーパーマリオRPG』の世界を楽しむことが出来るようになった。 先に私がこのゲームの何に引っかかっていたのかを書いておくことにする。 絵がいやらしいのだ。 「ペーパーマリオ」というと、ぴらぴらのマリオをイメージするかもしれないが、実はそうではない。 割と3Dに見えるのである。 キャラクターは一枚絵ではなく、パーツごとに奥行き情報を持って描かれており、陰影のついたパーツが個々に動いてアニメーションしているように見せているのだ。 「ペーパーマリオ」ではくて、「ペーパークラフトマリオ」という感じだな。 私はそれを見て、『マリオストーリー』の暖かみを捨てて、技術に走りやがったな、という感想を持った。 そう思っちゃうと、なかなか素直に楽しめない。 ゲームシステムは『マリオストーリー』とそんなに変わらないし、『マリオ&ルイージRPG』から見ると、むしろ退行している様な気がして仕方なかった。 最近、任天堂のゲームばかりやってたのも悪い方向に作用したかもしれない。 そんな私を救ってくれたのがビビアンちゃんだった。 大きなカールヘアを顔の前に垂らしているのが特徴的だ。 彼女はいじらしい子なんだ。 ゲームの内容は書かないけど、こいつはいいなと思ったのである。 ホントはちびヨッシーを連れて歩いた方が移動速度は速くなるんだけど、何となくいつもビビアンちゃんを連れて歩いていた。 ビビアンちゃんを気に入ってみると、不思議なもので『ペーパーマリオRPG』のいいところが見えてくるんだ。 雑魚キャラは処理が軽いので、驚くほど大量に表示させることが出来る。 この大量の雑魚キャラと吹き出しを使った演出は愉快だったな。 たぶん技術的にはどうってことないんだろうけど、心楽しい思いをした。 強引に名前を間違えたりするセンスも私は大好きである。 最初は鼻についた「ペーパー」であることを利用した謎解きなんかも気にならなくなってきた。 エンディングを迎えたとき、思わず拍手したな。 感動したんじゃないけど、丁寧に創りんはったなあ、と賞賛したくなったのである。 こういう気になれたのもビビアンちゃんのおかげだ。 ビビアンちゃんは最高だったな。 もっとも彼女、オカマちゃんなんだけど。 まあ、ゲームの世界でなら別に構わないのである。 |