ハッピーダンスコレクション_2

入力じゃなくて 2009_01_30

 

『ハッピーダンスコレクション』はめちゃめちゃ楽しい。
しかも、ただ楽しいだけじゃない。
なるほどこれがWiiコントローラーの正しい使い方なのか、と教えてくれるゲームでもある。
Wiiコントローラーは単なるセンサーなのだ。
入力装置だと思うこと自体が間違いなのである。

『ハッピーダンスコレクション』を最初にプレイすると、誰もが「あれ?」と思うはずである。
ちゃんと入力しているつもりなのに、正しく判定してくれない。 ゲーム中何度も注意されるのだが、画面に表示される軌跡だけをなぞっても正解にはならないのである。
コントローラーを持っている手首の角度が重要なのだ。
AとBボタンを両押しした状態で、表示されているキャラと同じように踊ると正解になる。
押した状態だとコントローラーの旋回半径が狭くなって、想定外の動きになりにくいようだ。

Wiiリモコンは向きと加速度しか認識しないから、創り手が狙っているようにプレイヤーが操作するとは限らない。
野球ゲームなんかをやれば、手首だけちょっと動かしてやれば良いことに気がつくはずである。
しかし、それは入力に対して結果を得ようとするアプローチから導かれる行為でもある。
ホームランを打つなら打つという結果が必要だから、それに対して最適な入力を行おうとするのだ。

じゃあ、最適な入力と実際におこなう行為を一致させてやればいい。
Wiiリモコンを一定の角度で持って踊ったときに得られる信号を正解にしてやればいいのである。
ただし、Wiiリモコンは精度が出ないし、プレイヤーも予期せず動いてしまうことがある。
だから、検知しやすいところだけ検知してやればいい。
それも必要条件だけ。
加速度センサーがアテにならないときは向きだけあっていれば、プレイヤーは正しい入力をしていると推認しましょう、という感じで良いのである。

私はやったことないけど、おそらく『WiiFit』なんかもそういうことなんだろう。
ヨガをやりましょう、っていっても、ホントにプレイヤーがヨガをやっているかどうかは判らない。
ただ重心が移動したことがセンサーで分かるだけである。
ヨガをやることが目的であって、センサーに正しい信号を認識させることが目的ではないから、それは成立する。

この『ハッピーダンスコレクション』が商品として難しいところはこの辺にあって、踊って楽しいことはやってみなければ判らない。
踊ること自体に何らかの価値があるワケじゃないし、健康に対する訴求効果もそれほどないだろう。
『WiiFit』にあるような行為への動機付けも価値付けもないのだ。
踊ることが楽しいとわかれば、入力する意識よりもまねて踊る意識の方が強くなってくるはずだが。
この辺が売上につながるかどうかを分けているようにも思われる。

実利がないからこそ、よりゲーム的であって、より素晴らしいと私は思うけどね。
久々に「やれば判るよ」と言って回りたいゲームである。
ナイショでこっそりプレイしたらイイんだよ。



<追加 2009_02_02>

このゲームを最初にプレイしたとき、なぜコントローラー2個持ちモードがないんだろうと思った。
左手も動かした方が面白いことはすぐにわかったったが、判定して貰えないんじゃ意味がないだろう、と。
しかし、その発想自体間違っているんだよな。
判定して貰えるかどうかはさほど問題ではない。
プレイヤーが勝手にやればイイだけのことなのである。
そこいら辺読み違えると、変に判定に厳しいだけのゲームになっちゃうよな、きっと。


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