FOREVER BLUE_1

危険のない海 2007_08_27

 

かつて一度だけ「体験スキューバーダイビング」というのをやったことがある。
もう10年以上前のことだが。
ペナン島に行ったときに、格安旅行のオプションにそれがあったのである。
日本だとスキューバーダイビングやるのに免許がいるけど、免許なんかいらなかったな。
海外だから法律が違ったんだろう。

今現在の私は絶対にスキューバーなんかやらない。
海の中、怖いからね。
ホオジロザメとか襲ってきたらどうすんねん!?
絶対にイヤ。
今ならそもそも旅行にも行かないけど。

しかし、あの頃はどうしたものか、やってみる気になった。
私の人生の中で一瞬だけ人並みに生きなければならない、と思っていた時期であって、まあ、どうも気がふれていたらしい。
これは人並みの喜びを甘受せねばならないと思いこんでいた頃の話である。

無免許とはいえ、一応潜る前に簡単な講習を受ける。
浅瀬で膝立ちになって講義を受けるのだが、この段階で私は膝小僧を擦りむいてしまった。
うっすらと血が滲んでいるじゃないか!!
鮫は一滴の血でも1Km以上先から嗅ぎつけて寄って来るという。
これやばいんじゃない?
私は非常に怖かった。
ただ恐怖より、インストラクターのお兄ちゃんにびびっていると思われる方が恥ずかしかったので、黙って私は潜ることになった。

潜ったら、そこにはすごい景色が広がっていた。
魚が逃げない。
あり得ない密度でそこら中に魚が泳いでいるのだ。
確か5mぐらいは潜らせてくれたように記憶しているけど、海中から太陽を見上げると、光の中にカラフルな魚達が舞っているように見えて、それはそれは美しい光景であった。
なるほど、鮫に襲われる恐怖に耐える価値のある体験である。

もっとも、海の中では他のグループが鮫の餌付けをやっていて、私は更にびびっていたのだが。
エサなんかやったら、おとなしい鮫だけじゃなくて、凄いのも来ちゃうんじゃない?
私は思わず膝小僧を手で押さえ込んだ。
1メートルぐらいの小さな鮫を見ながら私は気が気じゃなかったな。
海は素晴らしいけれど、門外漢である我々人間には当然恐怖も付きまとうのである。

ところで、私は今ゲーム話を書いているつもりである。
もちろん、今私がプレイしているゲームは『FOREVER BLUE』。
このゲームには危険がない。
まだホオジロザメには会ったことがないけど、5メートルぐらいの鮫やでっかい鯨は出てくるし、なぜかホッキョクグマが遊びに来るのに。
海の素晴らしさばっかりを詰め込んだ、ある意味においてはバランスの悪い作品のようにも思える。

しかしながら、やってみるとこれは非常にWiiにマッチしたゲームだった。
危険があったら、当然そこにゲームを織り込まなければならなくなる。
どうしても回避しなければならないからね。
危険は無い方がイイ。
深海に潜っていくときとか、ちょっとホラーっぽい演出があるけど、雰囲気だけでゲームにはしない。
そこいら辺が上手いところだな。
ゲームを追いすぎると途端につまらなくなるWiiにぴったりの作品である。


<後日談 2007_09_03>
ホオジロザメを見つけた。
っていうか、いっぱいいるんですけど・・・。
いいんでしょうか?ホオジロザメの群れの中、平気で泳いでて。


戻る