探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件_3 GUNばれ!ゲーム天国

伝える術がない 2005_03_29

 

その昔、一度だけモニタープレイをしたことがある。
もう何年前のことになるのか。
ジャレコが外資に買収される前の話である。

ある日なんの前触れもなく、ジャレコからファックスが届いた。
モニタープレイをやってみませんか?という。
おそらくアンケートハガキから情報を得たんじゃないだろうか。
交通費に加えて、ジャレコのお好きなソフトを一本をプレゼント、だそうだ。
その時点で既にいい年こいていた私は少し迷ったが、こんなチャンスは2度とないだろうと思って応募してみた。
すると、モニタープレイヤーに選ばれたのである。

モニタープレイするのは『GUNばれ!ゲーム天国』と『Tから始まる物語』だった。
確か10人ずつ2チームに分かれてプレイしたな。
両方とも1時間ほどプレイして、アンケート用紙に感想などを記入していく。

いうまでもなく、私は前者をプレイしてみたかったのである。
私は『ゲーム天国』をシューティングゲームという位置づけではなく、ギャルゲーという位置づけで捉えていた。
まあ、ギャルゲーだし、シューティング部分に色々言っても仕方ないよな、と思ったのであまり真面目にアンケートを書かなかったな、今思うと。
まさか、製品版があんな事になっているとは。

その当時はまだ「SCEにはびた一文儲けさせない!!」などとは思っていなかったので、私は『GUNばれ!ゲーム天国』を買ったのである。
モニタープレイしたゲームがどうなっているのか、やっぱり気になるものだ。

そこで私は驚いた。
連射機能がついている。
『GUNばれ!ゲーム天国』はガンコンを使えるのが売りなのだが、私がモニタープレイした時点では連射機能はついていなかった。
あれはいけない。
敵弾を打ち消せるので、連射機能がついているとほとんどゲームとして成立しないじゃないか。

それで私が悩んだのは、私は「連射機能をつけてはいけません」とアンケートに書けただろうか?ということである。
だって、連射機能ついてなかったんだもん。
ついてないものをつけるなとは書けないよな。
そりゃしょうがないよ、と自分を慰めるより他になかった。

長いこと書いてきて、ようやく現在の話である。
私は『仮面幻影殺人事件』をプレイし始めていきなり、そんなバカな、と思った。
このゲームにはMOというネットワークゲームが登場するのだが、オープニング早々このMOをプレイさせられるのである。
まだ「探偵・癸生川凌介事件譚」というものがどういうものなのか全然私は理解できていないのに。
携帯用のシリーズをやってきてる人だったら、ちょっと感覚は違うんだろうけど。

立ち上げの負荷に別の立ち上げの負荷を重ねるなど、言語道断。
これはいつも私が主張していることである。
おまけにゲームの中にゲームをつくると面白くないんだって。
いつも書いてるじゃん。
あかんて。
私が普段何を書いているかなんて、このゲームの制作者が知るはずがないし、知っても考慮しなけりゃならない道理もないんだろうけど。

この部分がホントにイヤで、最初の1時間相当をプレイするのに、5時間ぐらいかかってしまった。
イヤなもんだから、数コマンド進めてはネット見たり、数コマンド進めては別のゲームやったりしていたのだ。
あれは辛かったな。
またなまじネットゲームらしくするために、一応システムを作ってある から、余計負荷が大きい。
後で使うのかと思ったら、このシステムは全く使わないので、理解するだけくたびれ損だった。

この『仮面幻影殺人事件』は非常に面白かった。
少年審判とかネットワークゲームだとか、時代のキーワードをたくさん取り込んで、上手いこと話を組み立ててあるな。
キャラもいい。
本来主人公であるはずの探偵が奇人変人で、当人の中では解決しているのに他の人にとっては解決していないので、凡人の生王(いくるみ・プレイヤー)が別途に謎を解かねばならないというあたりはすごく斬新だ。
タッチスクリーンを生かしていないけど、それは別にマイナスには作用していなかった。

最初を乗り越えたら、ずっと楽しくて、一気に週末プレイしちゃった。
携帯用に何作かあるらしいけど、移植してくれたら間違いなく買う。
もちろんSCEに儲けさせない限りにおいてだけど。

ホントに始めだけなんですよ。
あそこさえ、ちゃんと手を打ってもらえれば私は文句なしだったな。
しかし、発売する前には、ここを直してくれ、とは言えない。
それを伝える術がないのである。
モニタープレイでもやらせてくれるんならやりたい。
いまなら、もうちょっとマシなこと書ける自信はあるのだが。



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