紙がない!

置き換えても喜びは増えない、たぶん 2023_07_15

 

テレビゲームは何かを置き換えることによって喜びを増幅させるものである。
ボタンを押すことを銃を撃つことにだったり、方向キーを入れることをキャラを移動させることにだったり。
しかし、置き換えるものがそれそのものだというケースは珍しい。
私は初めて見た。
『紙がない!』はトイレットペーパーを転がすことでゲーム中のトイレットペーパーを転がすという画期的なゲームであった。
でも、全然面白くない、たぶん。

『紙がない!』は紙がなくて困っている人にトイレットペーパーを渡すゲーム。
見た目はかなりショボくて、「いっせいトライアル」で無料じゃなかったらやらなそうなゲームでもあった。
特徴的なのは、Joyコンをトイレットペーパーの芯に挿して、板の上でトイレットペーパーを転がして操作するところだろう。
実物とゲーム中のトイレットペーパーが連動して動く。
アイディアは素晴らしいよね。

しかし、私はあんまりやりたくなかった。
なぜならば、トイレットペーパーは思いのほか埃が出るからである。
繊維が短いせいもあって、飛び散りまくるんだよね。
だから、トイレットペーパーは使わないで、手の中でJoyコンを転がして操作した。
ジャイロの感度を上げれば何とかなったよ。

慣性がない分、手でやった方が簡単なんじゃないかな。
ものの一時間ほどで最後までクリアできた。
特に面白いとは思わなかったが。
同一性にあんまり意味がないと思うんだよね。
だって、トイレットペーパーを転がしても面白くないでしょ、普通。
しかも板の上で。
レーザービームやノコギリを避けることもないし。
紙がなくて困っている人に特にストーリーは用意されていないので、そういう方向で得をすることもない。
ホントにただゴールまでトイレットペーパーを運ぶだけ。
面白いと感じる要素はなさそうに思える。

ただし、私はトイレットペーパーを使ってプレイしていないのである。
使っていない以上、たぶん、としか言えない。
たぶん、全然面白くはない。


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