テレビゲームは何かを置き換えることによって喜びを増幅させるものである。 ボタンを押すことを銃を撃つことにだったり、方向キーを入れることをキャラを移動させることにだったり。 しかし、置き換えるものがそれそのものだというケースは珍しい。 私は初めて見た。 『紙がない!』はトイレットペーパーを転がすことでゲーム中のトイレットペーパーを転がすという画期的なゲームであった。 でも、全然面白くない、たぶん。 『紙がない!』は紙がなくて困っている人にトイレットペーパーを渡すゲーム。 見た目はかなりショボくて、「いっせいトライアル」で無料じゃなかったらやらなそうなゲームでもあった。 特徴的なのは、Joyコンをトイレットペーパーの芯に挿して、板の上でトイレットペーパーを転がして操作するところだろう。 実物とゲーム中のトイレットペーパーが連動して動く。 アイディアは素晴らしいよね。 しかし、私はあんまりやりたくなかった。 なぜならば、トイレットペーパーは思いのほか埃が出るからである。 繊維が短いせいもあって、飛び散りまくるんだよね。 だから、トイレットペーパーは使わないで、手の中でJoyコンを転がして操作した。 ジャイロの感度を上げれば何とかなったよ。 慣性がない分、手でやった方が簡単なんじゃないかな。 ものの一時間ほどで最後までクリアできた。 特に面白いとは思わなかったが。 同一性にあんまり意味がないと思うんだよね。 だって、トイレットペーパーを転がしても面白くないでしょ、普通。 しかも板の上で。 レーザービームやノコギリを避けることもないし。 紙がなくて困っている人に特にストーリーは用意されていないので、そういう方向で得をすることもない。 ホントにただゴールまでトイレットペーパーを運ぶだけ。 面白いと感じる要素はなさそうに思える。 ただし、私はトイレットペーパーを使ってプレイしていないのである。 使っていない以上、たぶん、としか言えない。 たぶん、全然面白くはない。 |