日本一ソフトウェアはなかなか頑張っていると私は思う。 少なくともアドベンチャーの分野においては。 単純なノベルものではなく、必ずある程度ゲームを入れようとしている点が珍しいところだな。 で、しかも全然受け入れられてない。 余所で儲けているところは大抵オーソドックスなノベル系だというのに。 とてもじゃないけど採算がとれているとは思えないのだが、それでもどんどん出してくるな。 ある意味感心する。 会社は傾いてきているそうだが・・・。 今回の『セカンドノベル 〜彼女の夏、15分の記憶〜』も非常に頑張ったと思う。 記憶が15分しか保たない、というヒロインの設定を上手くいかした。 15分ではとても語りきれない物語をあらすじを作ることで時短して、次はヒロインにその先から語ってもらう、というアイディア。 これはなかなかイイと思うよ。 やっぱりただ読ませるだけよりも、何かプレイヤーに物語に関与しているんだという気になってもらった方が良いからね。 今までの日本一のアドベンチャーゲームは、プレイヤーが耐えられる負荷の見積が大幅に間違っていると思われるものが多かったけど、これはそんなことなかった。 相当終盤になるまでプレイヤーは話の内容がつかめないから、それほどモチベーションは高くないはずだ。 だったら、負荷はかけるにしても下げないとな。 このゲームのあらすじ作りは、ほとんどヒロインとの会話や主人公の独白でヒントというよりは回答が示されており、あんまり難しくはない。 物語が先に進むという結果が出るから、私だって何とか出来たんだと思うよ。 分岐が分かりにくいってのは一部あったけど。 チャートで描けば一目瞭然のはずなんだが、ヒロインと主人公がその都度物語を創っていく、というニュアンスが出ないからイヤだったのか。 あるいは、後から分岐するのがバレバレになるからイヤだったのか。 プレイヤー自身にあらすじカードを置かせて、チャートを作らせてみても良かったんじゃないか、という気はする。 エクセルみたいに「行を挿入」とか自分でやれば、尚更自分の物語だという気になったかもしれない。 まあ、このシステムが今後使われることは無いだろうから、考えても意味のないことだが。 頑張った割に、このゲームもご多分に漏れずほとんど売れていないようで、そういう意味でも次回はないかもしれんな。 残念なことだけど。 |