『スーパーマグネチック ニュウニュウ』というゲームを買ってきた。 『首都高バトル2』を作ったのと同じ「元気」というメーカーの作品だ。 この発売日すら定かではない(私が知らないだけだけど)ゲームを今頃になって買ってきたのは、元気というメーカーにちょっと興味が湧いたからだ。 『首都高バトル2』を終えてからもつらつらと考えてみるに、このメーカーさんは只者ではないような気がして・・・。 まあ、ちょっとHPでも覗いてみようかと思ったのが運の尽きだった。 元気のHP(www.genki.co.jp)は一風変わった内容で、彼らのゲーム作りの信念が書いてある。 人間思い詰めるとついつい歯切れが悪くなるものだが、斜に構えず正面から書いたという印象を与える、なかなか良い文章だった。 中でも「ただひたすらのゲームを」と題された『スーパーマグネチック ニュウニュウ』へのコメントは、私をして購入へと向かわしめるに十分だった。 そんなわけで、現在『スーパーマグネチック ニュウニュウ』をプレイ中である。 このゲームは3D空間に磁力と初等物理を応用したアクションゲーム、といえばいいのだろうか。 敵に接触・落下即死という懐かしいタイプのゲームである。 ただ私は、ゲーム本編よりも練習という位置づけの「ジバトラノアナ」の方に強く心惹かれた。 磁力と慣性のみを使ったアクションを練習するステージで、敵などは出てこない。 しかし、それ故にテンポがよくて面白いのだ。 ボタンを「ぽーん、ぽーん、ぽぽん、ぽーん」と小気味よく叩いて、自キャラを動かしていくときの楽しさ。 こんな所にも、SF時代に遡らないと巡り会えないような雰囲気がある。 そして、そのことはいみじくも「ひたすらただのゲームを」の中に書かれている。 そのまま引用してしまおう。 「僕はこのゲームをして懐かしい気持ちになってくれる人がいるんじゃないかと期待しているんです。もし、そうだったらいいなと。」 ただ少し寂しいことに、こうも書かれている。 「別にノスタルジーを求めてゲームを作ったわけで無く、あのころ(読む人それぞれ一番ゲームが楽しかった時代を想像してください)の無駄に過ごした時間を思い出してくれたらなと。ゲームがまだそれほど偉くなくて、むやみに剥き出しで、荒々しくて、それでやたらチャーミングだったころを。」 私も時々思う。 昔の方がゲームを楽しめていたんじゃないかって。 そして、そんな思いを振り払って、どんなときだって今が一番いいに決まっている!といいきかせて、ゲームに向かってきた。 『スーパーマグネチック ニュウニュウ』にしたって、私は過去を懐かしんで遊んでいるのではない。 今、このゲームを楽しんでいるのだ。 今どき、こういうゲームが日本で売れるとも思えないのだが、創った方たちには是非自信を持ってもらいたい。 また一つ、贔屓のメーカーが増えたな、という気がしている。 |