私は「影の軍団」が大好きであった。 「影の軍団」というのは、その昔フジ系列で放送していた忍者時代劇のことである。 忍者はやっぱりああでないと。 私のあるべき忍者像とは、昼間は銭湯の女将(樹木希林)の誘惑をいなしつつお客の胸でパフパフしてる三助(千葉真一)でありながら、夜になると悪い奴をやっつけて回るんだけど、最後はほとんどの仲間を失い、誰からも認められることなく消えていく、というものであった。 私は『NINJA GAIDEN』をプレイしながら、違うな、と思い続けていた。 これはアメリカンヒーローなんだ。 海外で制作されている忍者映画とか見ると、ひどく誤解してるな、と思うでしょ? ああいう忍者なんだな、これは。 忍者ってのは侍でも武闘家でもないんだぜ。 アクションゲームとしては非常に面白いと感じながらも、はよ終われ、はよ次のゲームやりたいわ、と思いながらやってたな。 『NINJA GAIDEN』は日本ではほとんど売れていないXBOX用だから、海外向けに高めの難易度が設定されているようにも思える。 でも、多分それは違うな。 難しいんじゃない。 好きになれないんだ。 だから、やる気がわかないんじゃないの? 好きになれないから、いつもセーブポイントを探していた。 使った時間を無駄にしたくない、とりあえず今日はセーブしてやめよう、そればっかりだったな。 アイテムの量に常に気を配っておけば、実はこのゲームそんなに難しくない。 相手の攻撃パターンを覚えて上手に防御しないと勝てないなんて、当たり前のことだもん。 アクション自体は面白かった。 おそらくこの『NINJA GAIDEN』は2周目の方が楽しいんじゃないか。 謎解きがわかった状態でサクサク進めていった方がよりアクションを楽しめるだろう。 でも、2周目やるかというと、私は多分やらない。 やっぱり日本人向けに創られたゲームをやりたいと思うな。 日本人向けに創るという話になれば、ストーリーもキャラクターも変わってくるでしょ?(ヒロインなんか特に) ゲームの開発にお金のかかる世の中では、どんどん難しい状況になりつつはあるわけだが。 <語句説明> 三助(さんすけ):銭湯の男性従業員の通称。江戸時代には背中を流したり、力仕事をしたりする従業員が銭湯にはいたそうだ。 |