NIGHT IN THE WOODS、STEAM版

ネコは偉大なり 2019_09_26

 

キャラクターが動物なのって凄い。
いやネコ、ネコが凄いのか。
人間の物語でも、容姿だけ動物にすると印象が全然違うのだ。
特にネコはね。
『NIGHT IN THE WOODS』の主人公がネコだから、最後まで楽しむことが出来たんじゃないか、という話をこれから書こうと思っている。
具体的なことを書くつもりはないが、何も知りたくない方は読み進めないでください。

『NIGHT IN THE WOODS』はジャンルで言えば、アドベンチャーゲームなのかな。
基本的に街中をふらついてはフラグを立てていって、イベントを消化していく形。
ゲームとして特にどうって事はない。
キャラクターの台詞回しが面白いところがウリなのだと思われる。
あとはストーリーを受け入れられるかどうかだけの問題。

ホントにここが問題で、私は本来こういう話はあんまり好きじゃないんだ。
こういう話ってのは、若いときは不安定でも仕方ないよねっていう展開のこと。
主人公は大学を中退して実家に戻ってきた二十歳の女の子なんだけど、精神的に若干病んでる。
で、なんだかんだ適当に昔の友達と遊んでいるうちに事件に巻き込まれちゃう。
もっとちゃんとせいよって思っちゃうんだけど、私は。
しかも、不安定だから物語がぼやけちゃうの。
なんか誤魔化されている感じがしてイヤ。
シナリオを書いているヤツが、若い時はこれぐらい仕方ないよねとばかりに、ぺろっと舌を出している気がして凄くイヤなのである。

ところが、割と受け入れられた、私は。
というのも、主人公の容姿がネコだから。
二十歳にしては幼い感じがする言動もネコの容姿だとしっくりくるんだ。
登場人物の容姿はみんな動物で、真面な奴もいればイカレてる奴もいるんだけど、それぞれ違和感はないんだな、これが。
フォトリアルだったら絶対受け入れられないよ、こんな登場人物達は。
登場人物をどこか愛嬌のあるシンプルなデザインの動物にしたところが、この作品のストロングポイントなんじゃないかって気がするな。

最終的に物語は割と内向的な着地を迎えるんだけど、それも自然に受け入れられた。
プレイして良かったと思ったよ。
評判が良いのも頷ける。
今になって思えば、動物じゃければ面白い台詞回しも成立しなかっただろうし、ちょっと難しい話を短くまとめることも出来なかっただろう。
キャラクターが動物である事で、主人公がネコである事で、全体が上手くまとまっているんだな。
にゃんこはやっぱり偉大ですよ。


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